消えたヘビー級ジンクス | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

何だか連想ゲームの様になっているが………昨日、クリス・バードの事を書いていて気になる事があった。

世界ヘビー級王者こそ最強のボクサー。
その為、報酬も名誉も桁が違う。それらを求めて軽いクラスの王者達はヘビー級を目指した。だが他のクラスでは聞かないヘビー級ならではのジンクスがかつてはあった。今は昔のヘビー級ジンクスを紹介。

ジンクス①
ライトヘビー級王者はヘビー級王者になれない

これを破ったのはスピンクス・ジンクスと呼ばれる右を武器としたマイケル・スピンクス。

名王者ラリー・ホームズを攻略して成し遂げたが、判定が論議を呼び歴史的快挙と言う雰囲気は無かった。

寧ろ、白人のヒーロー、ロッキー・マルシアノの連勝記録(49連勝)を守る為、ホームズに不利な判定になったとさえ言われる。真実はわからないが。

しかし、ジョルジュ・シャルパンティエ、アーチ・ムーア、ボブ・フォスターと言った名だたるライトヘビー級王者達が出来なかった事を、それもホームズから金星を奪ったのは大きい。

しかし、スピンクスはタイソン戦での惨敗で過去の栄光を全て失った気がする。

ジンクス②
サウスポーはヘビー級王者になれない

嘘か本当か知らないが重いクラス程、サウスポーの比率が下がると言われる。いや、言われた………の方が正確だろうか?
最近はタイソン・フューリーを筆頭にヘビー級ボクサーにもサウスポーが多い。

初のヘビー級サウスポー王者はマイケル・モーラー。WBOヘビー級王座決定戦でバート・クーパーと倒し合いの激闘を演じて当時、マイナータイトルのWBO王者になった。あれは28年前。

近代ボクシングの歴史が130年だから比較的最近の事。その後、数々のサウスポー王者が誕生。もう数えきれない。
もしかしたら昔のヘビー級タイトルはサウスポーだと挑戦させて貰えなかったかもしれない。

ジンクス③
世界ヘビー級王者は返り咲けない

モハメド・アリ、ティム・ウィザースプーンが返り咲いていたが、イベンダー・ホリフィールドが何度もヘビー級タイトルを獲得するまで言われ続けた事。

今やWBA.IBF.WBOヘビー級王者アンソニー・ジョシュア、WBC王者タイソン・フューリーは共に返り咲き王者。世界タイトルが増えてこのジンクスも完全に消えた。

ジンクス?④
ヘビー級にボディブローは通用しない

ジンクスと言うよりセオリーかな?

これは昔から言われていた。確かにボディで沈む世界ヘビー級タイトルマッチは………すぐには思い出せない。だが今年唯一のメガマッチでタイソン・フューリーがボディでデオンテイ・ワイルダーからダウンを奪った。先日行われたのジョー・ジョイスVSマイケル・ウォリシュのヘビー級戦もボディブローが試合を左右した。

ボディで決着するヘビー級の試合は少ないかも知れないが、セオリーは変わりつつあるかもしれない。

ジンクスなんてものは真面目には信じていない。だがジンクスがあった方が世界ヘビー級タイトルが神秘的な物に感じる。そういう意味で次々とジンクスが無くなるのは残念だ。