知識は有っても経験がなく、経験が無いから応用が効かない。

施設で色々なお客様をサポートしていると、色々な状況に遭遇します。

顕著な例ですが、オール電化で火を見た事がない子供。初めての火起こし体験にハラハラドキドキ。

また、焚き火の種火に火がついてそのまま放置、団扇も使わずじきに燃え尽きて呆然とする。

一度火が点けばそのまましばらく燃えると思っているのでしょうね。

それと、焚き火をして外出。帰ってきて「何故?」火が燃え尽きて消えている事に呆然とするお客様。

点けたらずっと燃えているものと勘違いしている様子です。

さらに、焚き火を眺めながらガスのバーナーでお湯を沸かそうとするお客様。

すかさず、「勿体無いですね」と、トライポットのフックに直火用のポットを掛けて焚き火で湯を沸かすように促すと、「そうだよね。焚き火で湯が沸かせるよね。便利になりすぎて忘れてました。」と。

その様な姿を見てサポートしていると、あまりにも自動化が進み、何でも便利になりすぎた事で文明が後退してるのではと感じる瞬間が多々あります。

火を操る事で進歩発展してきた人類の文明が、機械化電化が進んだ為に、その火から切り離されて経験と応用力が低下しているのではと思ってしまうのです。

火を使い米を炊き、焚き火で色々な調理をする。

火さえあれば、様々な食材を食べやすい形に出来るし、暖や灯りもとれる。

そして、火を使う事に付随して薪割り斧やナイフの使い方も伴う。

しかし、あまりにも便利になりすぎて、そう言う生活のベーシックが失われつつある文明の危機を感じます。

電気が止まれば人類は文明を失う。

そう言う極端な危機さえ感じます。

今は便利すぎて臨機応変な応用力「知恵」を失いつつある。

これは考えすぎかな。

キャンプを通して出来るだけ多くの人に、生活に根ざした火の応用力と知恵を経験的に学んで欲しい。

FLORAは色々揃っていて便利で快適だけど、キャンプそのものを通して火を使うことの楽しさや大切さ、また危険を経験的に学べる。

FLORA Campsiteはそう言うグランピング施設でありたいと思っています。


ジジイの呟き。