坂木司の作品。
和菓子屋「みつ屋」でアルバイトをする杏子のシリーズ、おそらく2作目。
2016年に光文社から刊行で、もとは「小説宝石」「ジャーロ」に掲載していた。
中編が5つ入っている。
杏子もお店での経験を積み、前作に比べて喜怒哀楽が豊かになった。
その分悩み、迷い、落ち込むが、最後は「そうだよね」と前を向く。
次に続くのだなあと思えて、「よし、また読むよ」と声をかけたくなった。
他の登場人物もみな変わらず、私は、立花さんの師匠が一番好きだ。
今後も出てくるのか、という新たな人物もいる。
前作でも感じたが、コミカルに描きながら、和菓子の起源や歴史を知ることもできる。
そして急に現実的に出る、「放射能の影響」。
そうか、そういう時期だったなと、思い出させる。
食べ物を扱う人たちの話だから出てくる内容でもある。
次の作品も楽しみ。