カメと鹿の角

 

ここ数年、漢方薬を使った「アンチエイジング」という考え方が広がりつつあります。

 

当薬局でも、そういった目的で漢方薬を活用される方が増えています。

 

主に用いるのは「補腎薬(ほじんやく)」と呼ばれる漢方薬です。

 

漢方では、老化は「腎(じん)」の弱りとともに進むと考えられており、腎を補うことがアンチエイジングにつながるという考え方です。

 

この考え方は、古代中国の皇帝が「不老長寿(長生不老)」を求めた思想と深く結びついており、その中で発展したのが補腎薬です。

 

個人的には「健康長寿の秘薬」と呼ぶのが良いのかなと思います。

 

さて、この補腎薬によるアンチエイジング。


実は「妊活」にも深く関わっています。

 

不妊傾向にある方は、この「腎」に問題があることが多く、腎を整えることが重要になります。

 

中医学でいう「腎」は、単なる腎臓の機能にとどまらず、生命エネルギーの源であり、生殖・成長・老化を司るとされています。

 

そのため、「老化」という面ではアンチエイジングに、「生殖」という面では妊活につながるのです。

 

少し視点を変えてみると、補腎は卵子や精子の質、そして子宮環境を若々しく保つための体質改善とも見る事が出来ます。


つまり、「アンチエイジング=妊活力アップ」と言っても過言ではありません。

 

また、現代社会では晩婚化の影響もあり、高齢での妊活や出産が増えています。


その場合、加齢による「腎の弱り」を考慮することが大切です。

 

特に35歳前後からは、動物性生薬などを含む強力な補腎薬の出番です。


動物性生薬は高価ですが、その分妊娠力向上にも期待できる力があります。

 

産後の体調管理などの養生にも大切です。

 

少し理論的な話になりましたが、漢方における「アンチエイジング」は「妊活」にもつながる。

 

漢方ではそういった話もあるんだなと、知っていただければ幸いです。