私は小学校の高学年になっても、電車が通ると手を振って、
それに手を振り返してくれる人がいると喜んでいました。
そのことは覚えていて、「ちょっとヘンだった」と思っていましたが、
友達にカミングアウトしたことをきっかけに、いくつ思い出したことがありました。
友達に「なおしていかないとダメだよ」と言われたのは、
夕方の公園でした。
やはり、小学校高学年の時です。
近所の女の子3人と私。
姉御肌のSちゃんが中心になって話してくれました。
「いらはは、他の人と違っていすぎる、このままではいけない。」
「授業の時に答えがわかるからって、ハイハイしつこく手を挙げるのはおかしい」
「自分がテストが終わった時に、大きな声で出来た出来たって言ってるから迷惑」
「いつも自分勝手」
そんな内容でした。
中でも特に覚えていることがあります。
3人の中でKちゃんは一番仲良しでいっしょに学校に行っている子でした。
Kちゃんは、他の二人が、
「ここが変だよ」「なおしていかないと」と、言っている間中黙っていました。
黙っているKちゃんにSちゃんが言いました。
「Kちゃんもちゃんと言いな、いらはのためだよ」と言うと、
Kちゃんは少し迷っていましたが、ちゃんと言ってくれました。
っていうか、Kちゃんには言われないと思っていたから、びっくりしました。
そんないきさつのせいか、その内容は鮮明に覚えています。
それは「財布をくわえてたらおかしいよ。」というものでした。
教室の中で、財布を口にくわえていたのは私も覚えています。
最初に話したときに「いらはは普通に見えたよ」と言ってくれた高校の友達も、
このエピソードを話すと
「それは、ちょっと…、そうだったかもね」って言ってました
みんなが、私のためを思って話してくれたことは痛いほど
伝わってきました。
言いたくないことを、思い切って言ってくれたことへの感謝と同時に
こんなにもたくさん、なおしていかなくてはいけないという驚きがありました。
自分が自分の思うようにやっていてはいけないんだ、
あんなこともこんなこともダメだったんだ、
全然気づかなかった自分のこと、
今日まで気づいていたけど、誰も話してくれなかったこと、
いろんなことを思いながら、
たくさんたくさん泣きました