前回は、「スタッフ⇔利用者様」「スタッフ⇔ご家族」「スタッフ⇔ケアマネ」のコミュニケーションに触れました。
スタッフは、ケアプランとそのプランのPDCAサイクルを理解した上で利用者様中心に動くべきであると述べました。
さて、「スタッフ⇔利用者様」のコミュニケーションは、まさにサービスの瞬間であるわけですが、ここを押さえておけば利用者様はきっとサービスに満足されると思います。
ここで、サービスの特性のひとつである「品質の変動性」を思い出してください(忘れた方は、こちらをどうぞ → サービスの特性(過去のブログ) )。
要するに、スタッフAとスタッフBがいる限り、利用者様は両スタッフを常に相対評価するわけです。ですから、スタッフAだけが利用者様とのコミュニケーションの瞬間をしっかりしても、事業所全体でしっかり押さえないと全くと言っていいほど意味がないのです。
「スタッフ⇔利用者様」は「多対一」の関係です。この「多」をあたかも「一」にすると言えばヒントになるでしょうか。
具体的に事業所は、「多」がもたらす品質の変動性を制御するために、何をすればよいのでしょうか。
私は、やり方ならたくさんあると思っています。
それぞれの事業所に合ったやり方を見つけるべきだと思いますが、今日のテーマを踏まえた一例を紹介しましょう。
オーソドックスですけど、「会議」でスタッフ間のコミュニケーションを図り、利用者様への接し方等の知識と改善策を共有することが大切だと思います。
ミーティングや朝礼で同様の内容を行っている事業所は多くあるとは思いますが、徹底しているでしょうか?
その徹底の程度が、事業所のサービス品質の高さであるといっても過言ではないです。
私は、ミーティングで情報共有の徹底をするだけでは、不十分なケースが多々あるのではないかと疑問を持っています。
というのも、スタッフにもスキルの高低があります。
このスキルの差を埋めるには、利用者様の欲している内容を勉強して、それを実践して経験を積むしかありません。
スキルの高いスタッフの指示を仰ぐだけでは、絶対にスキルの差は埋まりません。
つまり、サービス品質の変動性を制御することはできません。
会議をうまく運営すると、スキルの差が露わになるはずです。
スキルの低いスタッフを気遣って、厳しい意見を言わなかったり、指導が不適切であるような会議はやっても意味がありません。
利用者様のためにならない会議は時間の無駄ですから、やめる方がよいのではないでしょうか。
辛辣な意見ですけど、私は本当にそう思います。
あるスタッフが、介護の知識が不足していたら、事業所が本や資料を提供して専門知識を補充するように努め、そのスタッフが勉強嫌いであれば、先輩スタッフが本の読み合わせに付き合うなどして、徹底的に指導していくことが大切です。
要するに、会議をうまく使って上下関係を意識させて、会議以外のところで育てるのです。
恥をかくことを受け入れられないスタッフもいるでしょう。
でも、長い目で見て、そのスタッフが育たなければ、利用者様のためになりませんよねぇ。
経営者はいつもこの点に悩んでいます。
スタッフもこの点を押さえておかなければ、事業所にとって不必要な人員となることを認識すべきです。
こちらも見てくださいねー http://www.suminasu.net