前に記述したように、介護サービスの品質はヒトが元となります。介護スタッフが利用者様を満足させた場合、品質が高いと評価されます。そのサービスは、必ずしも介護技術を使ったものではなく、コミュニケーションなどからでも評価されます。
その評価は、利用者様からご家族やケアマネに伝わって、ほかの利用者様やケアマネに伝搬して業界のうわさになったりします(良いうわさより、悪いうわさの方が伝搬率が高いような気がします)。
それでは、介護保険法ではどのように評価されるのでしょうか?
介護保険法では、3基準を重視しています。「設備基準」「人員基準」「運営基準」です。これらをもとに都道府県の担当部署が監査を行います。基準に添ってサービスが提供されているのか否かをチェックしにくるわけですけど、利用者様やご家族の満足度というのは考慮されないんです。当然と言えば当然です。満足度というのは、主観的です。統計っぽく言えば、定性データですから、分析するには大規模な調査が必要になり、無理やりにでも定量的な評価基準を作るしかないからです。
だからというわけではないですけど、はっきり言って介護業界は他業種の経営者でも参入しやすいんです。3基準を満たしておけば、とりあえず文句は言われませんから。
ここで、一石投じたいんですけど、利用者様やご家族にとって本当に良いサービスってなんでしょう?それなりに楽しく時間を過ごせるのはもちろんですけど、私のクライアントの志はもっと高いです。例えば、おむつを必要としている利用者様をトイレで用足しできるように目標を立てます。以前のような当たり前の生活に戻そうとして、利用者様やご家族と一緒に懸命だったりします。すると、結果的に介護度が低くなったりします。
実は、この点に社会的ジレンマがあるんです。
経営からみれば、介護度は高い方が時間当たりの単価が高くなってうれしいんです。簡単に言えば、1時間サービスを提供するとして、介護度1の利用者様よりも介護度5の利用者様の方が売り上げが高くなるわけです。
私のクライアントのような介護サービスをしている事業所はたくさんあると思いますが、こういう事業所が評価されてないんです。国は、早いところ評価基準を設けて、介護度を下げた事業所を評価するような仕組みを作ってほしいものです。
ボーナスのような金銭でもいいし、事業所ランクを3段階評価するなどして。。
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