アンプは沢山あるんだけど、このMarshallは年に一度くらいしか使わない。

ヘッドは、'97年当時やっていたバンドのツアーで渡米した時に、
デトロイトの楽器店で3日悩んで購入したものだ。
ギターもアンプもオールドが沢山ある店で、
店内でフルヴォリュームで試奏させてくれた。

Marshallは30台くらいあったかな。
キャビなどを変えながら試奏し、結局その中から二つに絞り込んだ。
一つは1970年の1987で、もう一つがこの1969年の1959Tだ。

この選択には結構悩んだ。
1987は50Wなので、100Wの1959Tよりも歪む。
どちらを選んでも間違いは無かったと思うが、
50Wは100Wに比べてなんだかレスポンスが悪い気がして、
1959Tに決めた。
値段はたしか、$900だった。

ノイズが出ていたので文句をいったら、
「明日までに直しておくよ…」と人の良さそうな店主が言った。
翌日取りに行くと、言葉通りノイズは減っていた。
電解コンデンサーを交換してくれたらしい。

その後、このヘッドを国内輸送してもらい、
次の滞在地であったサンフランシスコのホテルで受け取り、
荷物で機内に持ち込み日本持ち帰った(今では無理だね)。

実は、そのデトロイトの楽器屋にはキャビも沢山あり、
同年代のAとBキャビネットもあったのだが、
輸送料が掛かりすぎて断念した。
ほら、さすがに手持ちでは持って帰れないから。
アメリカとは言え、今では絶対にあの価格では買えないから残念でならない。

そんな訳で、国内での"伴侶探し"を開始。
なかなかピンと来るものがなかったんだけど、
約3年前にやっとオークションで落札したのが、この1960B。

'68年製でヘッドよりも古く、
20Wで15ΩのPre-Rola Celestion G12Mがマウントされている。
オリジナル・コーン紙なので飛ばすのが怖くて、
常にアッテネーターを接続して使っている(ヘッドは100Wなのにキャビは80Wだし…)。

とにかく、このヘッドとキャビから紡ぎ出される音は最高で、
うっとりしてしまう。

そして良いからこそ、なるべく、このコンディションを維持しようと勤めている。

確かにお金を出して購入したけど、私がファーストオーナーではない。
という事は、将来も誰かの手から手へと巡る運命なのだ。
遺産として、家族のものになるかもしれない。
他人のものになるかもしれない。

だからこのアンプは一時借りているだけなのだ…と考える事にしている。
次世代にリレーして行く遺産なのだと。
なによりこのMarshallの方が私よりも確実に長生きだしね。

だけど、もう少しの間は私が使わせてもらうよ。
運命の出会いに感謝しながらね。




人気blogランキングへ