初潮から閉経までの間、生理と生理前後の体調不良は、に共通の健康問題で日常生活や社会生活に影響のある大切な問題です。月経困難症は生理中に起こる、月経前症候群は月経前の、心身の不調をいいます。
<症状>としては、月経困難症は生理中の下腹部痛、腰痛、お腹の張り、吐き気、頭痛、疲労脱力感、食欲不振、下痢・便秘、イライラ・憂鬱など。月経前3~10日間続く月経前症候群(PMS)の症状も、下腹部・頭・腰痛、胸の張り、動悸、吐き気、めまい、イライラ、憂鬱、涙もろい、集中できない、ボーとする、昼間眠くなる、などです。
月経困難症には、器質的疾患のある場合とない場合があります。
器質的疾患のない場合は、身体的・精神的なストレス、ホルモンバランスの乱れ、過労や睡眠不足、冷房による冷え、運動不足、ダイエットによる栄養不足などが関係しています。
器質的疾患がある場合は子宮筋腫や子宮内膜症・子宮腺筋症などの器質的疾患に伴います。
ここからは、少し<漢方的視点>から
漢方薬においては、月経困難症、月経前症候群がどこからくるのか、原因がなにかということが大切です。
<代表的な原因>としては
●お血…血液がドロドロして老廃物が溜まってしまった状態で、血液の流れが滞り十分に循環しなくなった状態をいい、子宮筋腫や子宮内膜症のあるかたは、お血が原因と考えられます。月経血にレバー状の塊が見られることが多いです。
●冷え…冷えはあらゆる病気の原因となりますが、月経にも大いに影響があり月経困難症や月経全症候群の原因となります
●血虚…血液や血液成分が足りない状態をさします。血液検査で貧血を指摘される方から検査値が正常範囲内でも隠れ貧血のかた。このような方は、月経量が少ない、月経周期が長い、月経血の色が薄い傾向にあります。胃腸虚弱で食べる量が少ない、食べても吸収しにくい、ダイエットの経験があり栄養不足になっている方はこの傾向にあります。血虚は精神の不安定につながり生理前後の情緒不安定の原因になります。
●水滞…脾と腎の働きが悪いことで、体内の水分の流れが滞り偏在する状態のこと。生理前にむくみや頭痛、生理中にだるさを感じる方などがこのタイプです。
<治し方>としては
●お血…活血。血の汚れを改善し流れを良くする
代表処方、桂枝茯苓丸、加味逍遥散
●冷え…温補。温めて補う
代表処方、当帰四逆加呉茱萸生姜湯
●血虚…補血。血、血成分を補う
代表処方、十全大補湯
●水滞…水滞を回復
代表処方、当帰芍薬散
原因はいくつか関係することも少なくなく、自分で体質を見極めるのも難しいため、漢方薬を使うときは、必ず漢方薬の専門家にご相談ください。
西洋医学的治療では、生理痛などに鎮痛薬を使ったり、ホルモン剤で生理活動を緩やかにしたり、生理を止めたり、などの治療が行われますが、漢方的原因を治すものではありません。漢方薬では「すぐ症状が止まる」ことはないかもしれませんが原因の改善を目指します。
このお悩みの方は現代社会ではとても多く、食事のみだれ、運動不足、ストレス、など現代社会ならではの問題点が大いに関係していると思います。若年層のダイエットからの栄養不足や高カロリー低栄養素の食事から来る血虚、座位の長い生活からの血流不足、生活時間やストレスから来る自律神経のみだれ。これらが、大いに月経前症候群と月経困難症に関係があり、これらの症状で悩んでおられる方は、一度 食事・運動・休養を見直す事をお勧めいたします。
お悩みの方は、ぜひ一度漢方相談をご検討ください。すこやか堂薬局では、お一人お一人しっかり問診させて頂き、体質に合った漢方薬をお選びお作り致します。geg