おはよう(*'▽')
「思考タロット」の香月彩緒だよ。
今回はブックレビューだね。
何とか一日で読み終えたよ
怖い絵 (角川文庫)
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中野京子さん著『怖い絵』角川文庫
◆星評価(5段階)
★★★★☆ 星4
◆構成
まえがき
作品1 ラトゥール『いかさま師』
作品2 ドガ『エトワール、または舞台の踊り子』
作品3 ティントレット『受胎告知』
作品4 ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』
作品5 ブロンツィーノ『愛の寓意』
作品6 プリューゲル『絞首台の上のかささぎ』
作品7 クノップフ『見捨てられた街』
作品8 ボッティチェリ『ナスタジオ・デリ・オネスティ物語』
作品9 ホガース『グラハム家の子どもたち』
作品10 ゴヤ『我が子を食らうサトゥルヌス』
作品11 ベーコン『ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作』
作品12 アルテミジア・ジョンティレスキ『ホロフェルネスの首を斬るユーディト』
作品13 ムンク『思春期』
作品14 ライト・オブ・ダービー『空気ポンプの実験』
作品15 ホルバイン『ヘンリー八世像』
作品16 ジョルジョーネ『老婆の肖像』
作品17 ルドン『キュクロプス』
作品18 コレッジョ『ガニュメデスの誘拐』
作品19 レービン『イワン雷帝とその息子』
作品20 ゴッホ『自画像』
作品21 ジェリコー『メデューズ号の筏』
作品22 グリューネヴァルト『イーゼンハイムの祭壇画』
解説
◆この本が書かれた背景
マリー・アントワネットを描いたダヴィッドのスケッチには悪意が滲んでいた。ダヴィッドという画家は自分が生き残るためなら平気で政治信条を変え、仲間を裏切り、権力者におもねり続ける人生を送った。
このように悪意にゆがんだ眼で描かれた絵が歴史上の事実として定着してしまうこともある。そこに筆者は怖さを感じ取ったようだ。
そう考えると、これまで恐ろしいとも怖いとも捉えられていなかった作品の中には、描き手も意図していない中で実は恐ろしい秘密が隠されていることに気付く。
ある種の負の感情や負の要素を兼ね備えた「悪」が妖しい魅力を放つように、恐怖にも抗いがたい吸引力がある。
人は安全な場所から恐怖を垣間見たい、恐怖を楽しみたいと思ってしまう。これは死の恐怖を感じるときほど生きる実感を得られる瞬間はない、という人間存在の皮肉なありようからきているのだ。
本書は「怖さ」をテーマにして、十六世紀から十八世紀の西洋絵画を通して。
見てわかる怖さもあるが、思いもよらない怖さの中にある、驚きと知的興奮を伝えていこうとする一冊である。
◆具体的な良さ
去年の12月17(日)まで上野の森美術館で行われていた『怖い絵展』。
それに関しての中野京子さんのブログ記事『「怖い絵展」に明け暮れた2017年』には
でもわたしとしては、本展の人気は違うところにあると思っています。
「美術館に何を求めるか」という世界へのアンケート調査によれば、欧米での1位は「教養」。一方、日本は「気分転換」だそうです。
「ただ感じればいい」と教わってくれば、そういう結果になるでしょう。しかし「怖い絵展」は「知識があれば面白い」というコンセプトでした。まさにそれが老若男女問わず受け入れられた理由かと。
大上段に「教養」とは言わずとも、それに近いものを多くの人々が求め始めたのだと。
その意味で、本展開催の意義はあったかな。新たな美術鑑賞元年だったかな、と。
とあるように、教養によって絵画を見る楽しさは倍増するようにも思う。
それを身に着けるためのきっかけになるのではないだろうか。
また絵画が描かれた文化背景、時代背景、それに作者の生涯や考え方を知ることによって、絵画の見方が大きく変わる。
一つの絵画から多くの発見や驚きがあり、他の画家の作品や文学作品からインスパイアされて描かれたものの多さが分かるね。
権力者の恐ろしさや科学の進歩による残酷さ、自分自身を映し出す鏡、時には親の愛情やあやまちと様々な絵画の描かれ方が見受けられる。
様々なベクトルの異なる怖さに浸れ、ワクワク出来ると思う。
個人的にクノップフさん作『見捨てられた街』に関しての部分が印象的かしら。
宮沢賢治さんのイーハトーブと似たようなものを感じた。
存在しない、謎めいた幻想的な街を描いた絵画だね。
惜しむらくは掲載されている絵画の小ささ。よく見れない(´;ω;`)ウゥゥ
文庫本だから、仕方がないんだけどさ。
また補足絵画作品に関してはカラーで掲載されているわけではないところかしら。
ということで、簡単だけど今回は以上になるかな。
いつも読んでくれてありがとー。
またね(*^^)v
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