IT系のメルマガを購読していると、よく「Excel業務の合理化」という謳い文句の下に、自社システムの売り込みにつながるような事例が掲載されていて、「ああ。うまく、プレゼンテーションしているなぁ」と嗤う。事例も、「数千の顧客を1つのExcelで管理していたある企業」だとか、「ふるさと納税の返礼品管理をExcelで行っていたある自治」とか、ホントウなのかどうかわからない、いかにも「ありそうな事例」「類型化しやすい例」を上げて、「こういうのがある」と来る。ふむふむ。自社でもそうだな、なんて思ってしまう。

 

まぁ、言ってしまえば、これらの収集したデータ(バラバラでも良い)を、何かキーを与えて「データベース」化すればいいのだが、そのデータベースはあっても、項目の追加がやりづらい、委託業者に頼むと、コレとばかりにカネがかかるのが現実で、「Excelにしがみついている」等とIT業者に表現されてしまうのだ。委託業者側も「人工(にんく)計算」で来るので、その「人」がどんな技術・知識レベルの技術者またはアルバイト・派遣技術者・二次、三次委託先の技術者なのかは、こちらもわからないのも現実だ。

 

だから、Excelで済ませられる業務を改善するために、システム化しようとしたり、有料のデータベースソフトを新たに入れたり、それを改造したりしよとすると、「費用対効果」を経営管理側に求められ(または求め)、その支出なら、アイツにやらせていたほうが「安く済む」との結果になっているのではないか、と思うのだ。そして、これらを、また、IT系は「属人化」と言う。

 

導入や改訂にかかる費用と時間は余裕のある企業はいい。それこそ、「着想」から「設計」、「設計の見直し」などに時間をかけて、ヒトをかけて検証し、構築していけるのだ。そして、その設計をそのまま、委託会社に作らせればいい。できてくれば、テスト環境を構築しておき(または構築し)、実用段階に踏み切る間に問題がないかを時間をかけて検証し、細かな手直しをしていく。そして、プレ・リリース段階に入り、一般ユーザーの選抜者に使用させ、ユーザーニーズに合致しているかを検証し、実用段階に移行させていく。

 

そうはいうものの、コレもカネと時間と言う「余裕」があってのことだ。「ヒト」も入るかもしれない。または、幹部の「ココロの余裕」だろうとボクは考える。

 

もうヒトツは、こうやって、「脱Excel化」を図った結果、自社内だけでそのシステムを改変する能力と技術があればいいのだが。業者を絡めると、イチイチ、細かな改変の都度、業者を呼ばなければならなくなる=カネがかかるという図式がある。こちらで勝手に改変してしまうと、業者が作成した時点とは異なってしまうので、「ワカリマセン」の名言も飛び出す。いたしかたないことなのだが、このあたりが、一般外注業者を導入した時の問題点なのだ。目先はカネで解決できたが、それを使い続ける場合に、それなりの「費用」(これまた人工計算)がかかる。

 

それならば、アルバイトや派遣社員にExcelデータを投入して、データを出させた方が費用がかからないのでは? などと、「目先の費用」に目が行ってしまうのだ。

 

「脱Excel」とはカンタンに言うが、シロウトが操作しやすいアプリケーションであり、「IT専門家」は不要という利点が第一だ。しかも、カネはソフトウェア購入というだろうが、一時支出で済む。これをアドインだろうが、アドオンだろうが、データベースソフトなどを導入すると、「カネのかかる専門家」が必要となり、身動きができなくなる、。という現実があるのだ。

 

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