「この世界の片隅に」の原作者、こうの史代先生の原画展を観に行って、その原画から感じるパワーに圧倒された方は私だけではないと思います。
 
私はそこに展示されている生の原画を観て、絵を見て涙を流すという人生初の体験をしました笑い泣き
 
自分は絵は描けないけど、どのようにしてこのような絵が描かれたのか、原画を観ているうちにもの凄く興味が湧いて、先日まで開かれていた原画展では生原画でしか見えない下書きの線などを食い入るようにひたすら鑑賞してきました。
 
そんな原画展で感銘を受けたばかりのこのグッドタイミングで、こうの史代先生がマンガを制作する全過程をひとつの作品として公開された
「ヒジヤマさん」のタネと花』という作品が、今週から「マンガほっと」というスマホアプリで連載スタートしました!
 
連載企画を紹介している記事→ コミックナタリー

 

上でご紹介した記事を見付けて、早速アプリをダウンロードして読んでみました。

 

マンガがどのようにして産み出されるのか知らない私にとっては、

「あぁなるほど、こうやって組み立てていくんだ」

と新鮮な驚き満載、

そしてあらためてこうの先生の魅力満載のコンテンツでしたので、これのご紹介をしたいと思います。

 

(注)App Store またはGoogle Play から「マンガほっと」というアプリをダウンロードしないと、コンテンツを見ることは出来ないようです。

興味のある方はスマホまたはタブレット端末でアプリをダウンロードすれば、ご紹介する作品を読むことが出来ます。

 

これがマンガほっとのTOPページです。

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コンテンツを見るためには「ライフ」というもの(右上のハートマーク)が必要ですが、新規ダウンロードで100ライフ貰えて、目的のこうの先生の作品の有料パートは1作品1ライフなので、基本的に無料で見ることが出来る仕組みです。
 
で、このTOPページでは左上に『「ヒジヤマ」さんのタネと花』のアイコンがありますね。
これが連載企画の入り口です。
 
このアイコンをタップすると、下の画面になります。
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ここから下の方にスクロールすると、現在見ることの出来るコンテンツのメニューがあります。
 
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このブログを書いている6月3日時点では、まず 「ヒジヤマさんの背筋が凍った瞬間」が1~5の連載完結で、マンガ制作全行程を見ることが出来ます。
 
上にリンクを貼ったコミックナタリーの記事に概要が書いてありますが、こうの先生直筆のコメントによると、
 
『・・・昨年から学校でちょっとだけ漫画を教えることになりました。どう説明していいか判からなかったので、とりあえず1作の出来上がるまでを生徒さんたちに見てもらうことにしました。』
   「ヒジヤマさんの背筋が凍った瞬間」1 より部分引用
 
ということで、広島の比治山大学短期大学部での授業で、生徒に漫画の制作過程を教える教材として書かれたものだそうです。
 
なので、マンガ家を目指している方ならともかく、ひたすら読者に徹しているような私にはまず目にすることが無いような、本当に何もないところから作り上げていく過程が見られます。
 
着想メモのようなところから始まって、キャラクターのラフ案、均等に割ったコマの中で物語の進行を構想する下書き(ここまでがプロットというのでしょうか?)、そしてコマ割りをして構図や配置を書き込んでいくネーム(? というのでしょうか?)
そして下書きを経て実際の原稿のうえで線が描かれペンが入り、
 
これを見ていると、まさにあの原画展で見てきた「この世界の片隅に」の絵が産まれていく過程がヒジヤマさんのマンガを通して目に浮かんでくるような気がしました。
 
何と言っても原作者こうの史代先生の作品なのですからストレートです!
 
そして、やっぱりスゴイなぁ!!って感じるのは、そのマンガの内容です。
 
「登場人物の感情をセリフなしで表現する」という課題で、「背筋が凍った瞬間」をお題として描く というテーマなのですが、完成版(連載の5)を読んでみれば、本当にセリフが全く無いのに、この主人公がどういうタイプの人間で、今何が起きていて、そして「背筋が凍った瞬間」を読者自身もヒヤッとする描き方で表現して、そしてオチ、そのオチの伏線がちゃんと冒頭に入れられている という
 
ひとつの読み切り作品として素晴らしいクォリティの、ぶっちゃけで言えば純粋に面白いマンガになっているんです爆  笑
 
ここで出てくる主人公の女性「肘山美科」、設定上は「無口で冷静沈着」でいわゆる出来る女子っぽい設定 のはずなのですが、
漫画を読んでいくと場面場面ですっとぼけがあるところなんか、まるですずさんラブラブ
 
お題となっている「背筋が凍った瞬間」も、本人のどじが原因だし。
 
こうの先生独特の温もりを感じる作風のマンガでしたキラキラ
 
興味のある方は是非、マンガほっとアプリをダウンロードして読んでみてください。
 
特にこうの史代ファンの方にはオススメですグッ