七つの海をバタフライ -吉川晃司ブログ-

異彩を放ちまくりながらも逞しく泳ぎ続ける吉川晃司。
全てのロックレジスタンスどもへ バーボンを傾けながら・・・。


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デジタル・オーディオって何?
mp3って何?
拡張子って何?

時代の速さにおいてけぼり喰らっている自分を実感し、悔し涙ぽろり、な夜もある。

そんなアナログ人間の私にとって、馴染みある音楽メディアと言えば、『カセットテープ』だ。

つい先日、部屋の掃除をした。
人生と比例して、部屋の中には想い出がいっぱい。
チリも積もれば山となる。

限りあるスペースを有効活用するためには、捨てねばならぬモノもある。

部屋の一角の専用ケースには、数百本のカセットテープ。
まだMDの無い時代。レンタルショップでCDを借りては、カセットテープにダビングしていた。

それは私の青い時代の象徴。

時が経ち、それら音源は、CDで買いなおしたり、CD-Rに焼きなおしたり。すっかりカセットテープは単なるオブジェと化していた。

奴らとの別れの時は訪れた。

そんなカセットテープ群の中に、吉川晃司の音源は、たった1本しかなかった。

『Don't stop me now』


当時は特別な思いがあった訳ではない。
「1アーティストの入門編としてベストアルバムを選んだ」

その程度だ。

そんな私も、今やすっかり吉川中毒者。
10年前の私からすれば、まったくもって想定外の未来予想図。

将来カセットテープというメディアは存続しているのだろうか?
私は10年後も吉川の歌を聴いているのだろうか?

未来のことはわからない。
時は巻き戻しも早送りもできないのだから。
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1603年に阿国(おくに)という女性が踊った「念仏踊り」が、現在まで脈々と通ずる歌舞伎の歴史の起源だとされている。

それから約400年・・・。

庶民の為の芸能であった歌舞伎は、長い歴史を積み重ね、「伝統芸能」とまで呼ばれるようになった。

歌舞伎がこれほどまでに長く愛され、楽しまれた要因として、歌舞伎独自の演出方法である「見栄」がある。

現代では「見栄を張る」「見栄っ張り」等の用法で使われる言葉だが、歌舞伎における「見栄」は、"感情の高揚した場面で、一瞬動きを停止し、にらむようにして一定のポーズをとる"ということになる。

つまり、エンタテインメント内での『お決まり事』である。

観客も心得ていて、役者が舞台山場で見栄を張る時は「よっ!成駒屋!!」等と掛け声がかかり、拍手が起きる。

「物語・感情の山場」という記号であり、なおかつその記号を美しい「型」として見せる。

いや、魅せる演出なのである。

吉川晃司は歌舞伎役者ではないが、ステージに立つ彼からは、時折、歌舞伎の舞台を想起させるようなオーラを感じる。

それは、吉川独自の「型」の美しさが、歌舞伎の見栄と通ずるのだ。

ステージ中、彼は音楽と感情に身を任せ、時に無意識的に、彼独自のポージングで観客を魅了する。

吉川の独特でしなやかな肢体の「型」は、日本エンタテインメント史上で、歌舞伎の見栄とともに、燦然と輝く歴史の一ページを刻むことは間違いない。

これから先の長い歴史の中で、時代を越え、吉川の「型」を受け継ぐ者が現れるかもしれない。

「よっ!吉川屋!」
そんな掛け声が、30世紀の劇場には響き渡っているだろう。
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keijirou 「傾奇者」と書いて、「かぶきもの」と読む。


「かぶきもの」という言葉には、「歌舞伎役者」の意もあるが、「傾奇者」の意味は一言で説明できない深みがある。


-異風の姿形を好み、異様な振舞いで人を驚かすのを愛することを「傾く」と云ったのである。-

 

作家の隆慶一郎氏はこう説明するが、これだけでは言葉足らずだ。


日本史上随一の傾奇者と言えば、「前田慶次郎」である。

 

武人でありながら、詩文や茶道にも精通し、性格は豪傑でありながら繊細。

 

名声や富に頓着せず、自らの道を風のように生きた人物だ。


小説では、隆慶一郎氏の著書『一夢庵風流記』、そしてそれを原作とし、原哲夫氏が画を務めた『花の慶次~雲のかなたに~』は特に有名で、どちらとも慶次郎の豪快さと優雅さを見事に描いた、小説界・漫画界の傑作である。


先日この『一夢庵風流記』を読み直したのだが、文字だけだからこそ余計に、慶次郎と吉川の「男っぷり」が重なった。

 

友情を重んじ、負け戦と分かっていながら、馳せ参じずにはいられない性分。

 

豪快に駿馬を駆り「動」に興じながら、和歌や茶の味を愉しむ「静」の趣を愛する人としての深み。


本物の「男っぷり」とは何だろうか?

 

そう考えずにはいられなかった。


NHK大河ドラマ『利家とまつ』では、及川光博が慶次郎役を演じていたが、今回小説を読み直して、吉川の演じる前田慶次郎、を見てみたくなった。


NHK大河ドラマ初の「ぼろん」を出来るのは、吉川しかいない。


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バカラ"プレゼントを選ぶ"というのは一つのセンスだ。プレゼントを吟味する時間・気持ちまでも含めて、相手に届けたい。

そこに『モノ』があれば良い訳ではない。ましてや、『何か欲しいモノはある?』などと相手に聞くのは私から言わせれば愚の骨頂だ。

自分が相手の事を深く想った上での贈り物は、必ず『届く』と私は信じている。

この春、私は引越しをした。
わずか一年という短い時間ではあったが、その土地で私は多くの人と出会った。

私の住まいの近所に小さなバーがあり、そこは老若男女、幅広い人たちと出会える良い意味でカオスな場所だった。

私がその土地を離れることになった事を皆に伝えると、ささやかだが暖かい送別会が開かれた。しんみりした空気は無く、ただいつものようにバカ話に終始する、そんな時間がとても心地良く続いた。

会が終わりに差し掛かる頃、仲間の一人が小さな赤い包みを私に渡してくれた。

私は、その中身が一目で分かった。
鮮明で気品ある印章的な赤い袋とケース。
そこには、キラキラと輝くバカラのロックグラスが収められていた。

私が酒を好きなこと。
吉川晃司を好きなこと。
そして、吉川がバカラグラスを愛用していること。

私たち何時も酒を酌み交わし、私は何時も吉川について熱く語っていた。吉川の魅力は、それを語る私という人間とともに、彼ら彼女ら各々の解釈で届いたようだ。

プレゼントに添えられた、『どうせ千年もない人生さ☆』という言葉がそれを物語る。

このグラスで飲む酒の味は、いつまでもあのカオスの味だ。
今日も私はグラスに氷を入れ、酒を注ぐ。

酒はもちろん、ジャック・ダニエルを。
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ある日の仕事終わり、同僚たちと居酒屋で飲んでいた時のこと。10歳年上のK氏が僕の隣に座った。

K氏と僕はともに「NO MUSIC,NO LIFE」な人間で、これまでも度々互いの音楽の話を交わしていた。

しかし、10歳という年齢差と、音楽の好みの違いもあり、『共感』とまでは至らなかった。彼の話が出るまでは、、、。

K「GYASYA君にとって、『ロック』なアーティストって誰?」
G「キッカワですね」(即答)
K「キッカワって、吉川晃司?」
G「ええ、知ってます?」
K「あぁ、高校の学祭で『Innocent Sky』をピアノの弾き語りで歌ったからね。確かに、奴はロックだね」


話してみると、K氏は僕の見ていない吉川晃司をたくさん知っていた。

大雑把な括りをすると、K氏の見てきた吉川は「デビュー~COMPLEX前」、僕の見てきた吉川は「COMPLEX後~現在」。

見てきた時代は違えども、僕らが吉川から感じた「ロック」は同義だった。

そう、僕らはたった一人のアーティストの、たった1曲の歌で、『共感』を得たのだ。

仕事の話でも、他の音楽の話でも見えなかった、互いの本質の1部に触れ合えたのだ。

それは僕らが、「Innocent Sky」という曲から自分にとっての大切な「何か」を感じとれる人間、であることが証明してくれている。

僕らは周囲そっちのけで、飲みながら「Innocent Sky」を歌いまくった。

「何か」を言葉にするよりも、共に歌うことの方が、互いを分かりあえるような気がしたからだ。

僕は春から、今とは別の土地で働くことになった。
K氏とも一緒に働けなくなってしまったが、いつだって空を見上げれば、あの時の「Innocent Sky」が聞こえてくるだろう。
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