ふしぎ夢もの・通りゃんせ通りゃんせ | スピリチュアルメッセンジャー 魂の言の葉伝導師 翆春(suishun)

スピリチュアルメッセンジャー 魂の言の葉伝導師 翆春(suishun)

北海道道東オホーツクに住んでいるスピリチュアルメッセンジャー 魂の言の葉伝導師です。メール鑑定・電話鑑定・対面鑑定(北海道北見市内)もさせていただいております。ブログは「今日の言の葉」や「各月生まれさん占い」等をUP。普段はのほほんとしています(* ॑꒳ ॑*)

ふしぎ夢もの・通りゃんせ通りゃんせ




これもやはり小学一年生の頃です。
住んでいた都営住宅。
当時はなんと木造でした。
年代を感じますねー。

その住宅の二軒隣はあのイチジクの実がなるお家です。
その家と自宅の間と。
つまりすぐお隣さんですが、このお家には花がわんさか咲いていました。
花壇にも植木にも。
木は猫柳もありましたが、たしか雪柳とか言う細かな白い花がびっしり咲く柳のようにしなだれる木があり大好きでした。

近所のお友達と一緒に花を見にお庭へお邪魔します。

ただし家人にあったことがありません。
いつもきれいにしてありますから、留守宅ではない、はず。

ですが「おじゃしまーす、お花をみせてくださいなー」とお庭へお邪魔しまするわけです。
なら、「はーい。ゆっくりねー。」と声がします。
なのでしばらく遊んでいても、あまり罪悪感もなく、花をたまに摘んだりして遊んでいました。


たまに起きたことなのですが、あまり遅くまで遊んでいると、出口がわからなくなるんです。
たいした面積でもありませんよ?
極々普通のお庭です。
しかしながら、木がうっそうと繁っているように見え、道が隠れてしまうように見えるのです。

まるで通りゃんせです。
行きはよいよい帰りは怖い。

で、家に誰かいるようで、姿は一度も見たことがない。
声だけ。

そんな夕方にはやはり通れなくなるもの。
まいったなぁ…と思っても、自宅は隣ですからあまり焦りません。

そのうち
「上がっていかないかい?」と家の方から声がします。
さすがにお隣さんでも、面識のないお家へは上がれません。

渋っていると「なら縁側においで、ジュースをあげようね。」と、優しげなおじさんが声を掛けてきました。

そっか。
見たことがなかったけど、このお家にはおじさんが住んでいるんだと思い、お言葉に甘えて縁側へ行きますと、ジュースをいただけたわけです。

おじさんとにこやかに話をして、ジュースもなくなりました。
5時のサイレンも聞こえてきて帰らなきゃとおじさんにお礼をいい帰ることを伝えるとまだいなさいといいます。

さすがに隣でも母親は心配すると思うので、やはり帰るというと悲しそうな顔をして、またおいでと言ってくれました。


植木を掻き分け進みますが、なかなか出口へ向かえません。
困っていると「こちらじゃ」と手招きをされて向かうと出口にたどり着きました。

出口に行くと時々不思議と遊ぶお兄ちゃんが「お隣はもう行ったらだめだよ?」と話してくるのです。
お花があるのに?と聞いても、そうだと言い張ります。

不思議だけど彼が言うなら仕方がないのかな?と、思いながら帰宅すると、母親にどこに行っていたの?と聞かれたので隣の家へ行き、ジュースをご馳走になったと話します。
すると「変ねー。おじさん先月亡くなったのに。親戚の人かな?でも奥さんも実家に帰ったから誰もいないはずなんだけどなぁ。」
「でも、話し声するし、おじさんいたし、ジュースいただいたし、お花きれいだよ?」
「そうねー。でも、たまたまかもしれないから、もう行かないでね?」
「はーい。」


それから二三日した時、隣の家への入り口で雪柳をいじっていたら、また中からおいで、おいでと聞こえます。
でも約束をしたので聞かないふりをして遊んでいると、背後に気配を感じました。
ザワッと寒気がしたので振り向くと、時々遊ぶお兄ちゃんが壁になるように立っています。
突然突風が吹いて、花が舞い上がります。
すると寒気は消え去り、お兄ちゃんがにこやかにこちらを見ていました。

「もう大丈夫だよ。」
「…うん」


それから隣の家はずっと空き家になったままでした。

お隣さんのお花、きれいだったんですよー。



翆春


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