人口減少と水の問題 | 静岡市水道組合のブログ

人口減少と水の問題

 このところ、「人口減少の問題」が、様々なマスメディアに採りあげられているように感じます。以前、目にした新聞記事によれば、静岡県では「30年後、34市町で人口減と推計され、長泉町を除く全ての市町で人口が減少する」と報じられておりました。

 また、別の記事には「止まらぬ人口流出」のことが書かれておりました。
この記事の冒頭には「総務省が発表した平成25年の人口移動報告によれば、静岡県では県外への転出者が続出しており、北海道に次いで、全国でワースト2位になった」などと書かれておりました。

 このようなことから、我が国の将来人口について調べて見ますと、「既に人口のピーク(1億2,805万人余)は2010年に通り越しており、今後は長期に亘って、人口減少が続いていくこと。そして、この100年後の2100年には、我が国の人口は、ピーク時の2分の1から3分の1に当たる5,000万人前後になるであろう」という試算が示されておりました。

 長期の人口減少が避けられない問題であるとするならば、この大きな課題をしっかりと受け留め、今から有効な手立てを講じていかなければなりません。
これは、我が国のあらゆる産業に共通して言えることで、水道事業も例外ではありません。

 対策の一般的な考え方としては、「人口の減少に伴う需要量の変化に合わせて、供給量を調整していく」ことになるものと思います。ただし、水道事業については、一つ注意をしなければならない点があるようです。

 それは、水道事業の事業特注のことで、「他の産業とは費用構造が異なる」という点です。具体的には、「給水量の減少に伴い縮減される経費は薬剤費や動力費などほんの僅かなものに過ぎないこと。また、それ以外の大部分の経費は、給水量の変化とは無関係に、水道施設の保守点管理や管路等の更新・改良に費やされるため、経費全体を切り詰めていくことは大変に難しい」ということです。

 しかし、それが、いかに難問であろうとも、水は全ての人に、片時も欠くことのできないものですから、あらゆる知見を結集して研究、検討を重ね、課題解決に向けた突破口を切り拓いていかなければならないと思います。
菱和設備㈱ 浅井 孝