それは、カチ子が友人から譲ってもらった甲子園のチケット、阪神巨人戦を彼と観戦に行った時のはなし。





彼曰く、物心ついたときにはもう阪神ファンだったらしい。

阪神ファンにとって、阪神巨人戦は伝統の一戦らしい。そのチケットを見て彼は小躍りして喜んだ。





カチ子は、彼と付き合うまで野球には全く興味がなかったが、彼がいつも嬉しそうに野球観戦してるので、つられてカチ子も野球観戦が楽しくなった。






なので、その日も早くから開門時間に間に合うよう準備して、ふたりでウキウキしながら電車で出掛けた。

甲子園では、ビールを絶対飲むので交通手段は電車。帰りの電車は激コミになっちゃうけど、仕方ない。





席は、今まで観戦したなかで一番良い席で彼はめちゃめちゃご機嫌。ビールをしこたま飲み、いつものようにヤジを飛ばしながら応援した。





テレビで見るのは快適だけど、観客の熱気とか、生の応援とか球を打ったときの音やらは、現地に来ないと感じられない興奮だ。




ひゃっほぉーーぃ!

楽しさMAX!

じゃい!





ところが!

試合が進むにつれて阪神は負け始めた。

そして6回が終わったころには、かなりの点差がひらいていた。。





さっきまで楽しさMAXだったのが一転、彼のテンションだだ下がり泣き笑い

応援よりヤジの配分が増えてきたニヤニヤ

ファンでない、カチ子でも面白くないねんから、そらそうなるわな。






しばらくは我慢して見ていたが

彼は突然立ち上がり






「帰るっっ!」

と言い出したガーン

まだ、7回が終わってない。






カチ子

「えっ!まだ2回もあるやん。」

とは言ったが、奇跡でも起こらん限り逆転は難しい点差だった。帰りの電車が激コミにならんうちに帰るのも、手かも知れん。






このイライラしてる状態の彼をなだめすかして

激コミの満員電車に乗せる図を想像するだけで頭痛がしてくる。





やっぱ、帰ろう。

逆にいいタイミングかも知れん。

後ろ髪を引かれながら、球場を後にした。




つづく