母に今までの貯蓄を奪われてからは、生きるのが苦しくなった。

父は「自分で学費を出せるなら進学していい」と言っていたが、もう自力でも進学はできない状況になっていた。

授業料は奨学金等で工面できたかもしれないが、入学する為のお金が一切残っていないのだ。

父も私の貯金を母が奪っているなんて考えてもいなかったそうだ。


学校生活は充実していて毎日穏やかに過ごしていたが、放課後の就活講習に行く度に涙が出そうになった。


自暴自棄になり、家で首を吊ろうとしたこともあった。

だが、死ぬ覚悟が無くて首吊りは失敗に終わった。


最終的に「どこでもいいからとりあえず働こう」と考え、適当に目に入った企業の面接を受けて内定を貰った。