最終日です
只今、4時
オヤジ軍団もう起きています
お湯を沸かし朝ごはんの用意
気が進まないのですが催して来たので開放的な厠へ
オヤジ軍団が丁度出発
開放的過ぎるので誰も居ない方が落ち着いて出来る
そんなこんなで5時を回り部屋を片付け掃除
そして横断最後の宿泊地の山小屋を後にしましょう
親不知海岸、そこに待っているものは?
黄連山を過ぎ菊石山のコルにある水場
菊石山 6時39分
この下りからブナ林
正面には白鳥山が見える
いくつかの小ピークを過ぎ
さぁ近くに見えるがまだまだ遠い親不知へ
ここから沢状になった分かりにくい地形を下ります
この泥道は雨の日は大変でしょう
3人組は昨日通ったか?
今日でもこの泥濘み
昨日はさぞかし下半身がドロドロになったでしょう!
そしてシキ割という水場に出ます
美味い!
金時の頭に出ると
坂田峠
おぉ
アスファルトの道が見えた
何だろう?
アスファルトの道がやけに感動する!
9月18日に新島々の宿を出発し島々の徳本峠の登山口から入山して今日は9月の30日
12日ぶりに下界の香りがする
峠のど真ん中に立ち
いつまでも一本のアスファルトの道を眺めていた
いつまでもそうしたかった
こんなにアスファルトの道が愛おしく感じられ
ザックを下ろして大の字に寝てみた
アスファルトが温かく生きているのか?さえ思えアスファルトに優しく包まれている様で
目頭が熱くなった
見上げると青空、小鳥が舞いさえずる
本当にもう終わりなんだな!
また登山道に入ります
登山口にお地蔵様が佇んでいます
またここから登山道、緩やかな登りが続きます
遂に間近に見える日本海
尻高山とお地蔵様
お地蔵様が現れる毎に手を合わせて行きます
この辺り見事なブナ林
またアスファルトの道を横切ります
国道まであと2時間程度
二本松峠 9時52分
日本海がどんどん迫ります
手を伸ばせば届きそうだ!
暖地帯の常緑樹が交じり海岸部まで下りて来た感がするし
高圧の鉄塔やその補修の資材がブルーシートに包まれて登山道横に置かれてる
下界の人の匂いがする!
最後の旧道の様なのを越え
車の音が聞こえる
国道はもうそこだ!
国道を挟んで親不知観光ホテル
国道を行き交う車を暫しボーっと眺め
下界の日常を実感する
一旦ザックを下ろし
ここはまだ本当のゴールでは無い
本当のゴールはこの下の親不知海岸
波打ち際が見える
本当のゴールがそこにある
早く下り立ちたいが下りたくない気持ちもあるのも本心だ
さぁ下りよう
この階段は私にはレッドカーペットの様に思える
回りの木々が騒ついている
拍手をしてくれているみたいだ
一段一段を大切に下る
あと5段、4段と
最後の一段を下り砂浜へ
砂浜には見えない筈のゴールテープが私には見える
砂浜に降り立ち見えないゴールテープを切った
海岸に下り立ち
波打ち際へ
34日間の雲上のひとり旅が終わった瞬間である
しみじみと眺める
波の音、潮の香り
出発したのは暗闇の砂浜
友が見送ってくれた
友と別れ歩み出した瞬間はわくわくするもひとり寂しくもあった
そしてゴールに待っていた海岸は太陽が燦々と降り注ぐ陽気な砂浜
独りぼっちだが寂しくは無かった
だがわくわくの思いが消え安堵感とともに違う寂しさを感じた
8月28日の0時スタート
只今は9月30日の11時
34日間561km、942499歩を刻み終了
始まりはいつかは終わりが来る
今、何を思う?
走馬灯の様に34日間が駆け抜け思うのか?と思ったが頭が真っ白だ!
真っ白だが心の奥底からじんわりと熱いものが込み上げてくる
達成したんだ!と
しかし涙は無かった
満足感が身体中に満たされていく
最後の砂と海水を採取し
全ての任務が完了した瞬間だ
そこに宝物はあったか?
苦労はやがて切なさと愛おしさに変わる
宝物だ!
しかし宝物を手に入れると更に大きな宝物を手に入れたくなる
困ったものだ。
〜DAY34 DATA〜
歩行距離 16.8km
歩行数 29653歩
DAY34+ 最終回につづく