●あなたにビジネスパーソンの資格はありますか | 『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』著者・吉田拳の原稿執筆下書き帳

『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』著者・吉田拳の原稿執筆下書き帳

Excelの関数や機能をマスターするだけでは意味がない!じゃああとは何が必要なのか…22万部のベストセラーであり日本で一番売れているExcelの本、『たった一日で即戦力になるExcelの教科書』の著者、吉田拳の執筆原稿の下書き帳です。

こんにちは。
すごい改善の吉田です。


ホワイトカラーの仕事において、全く数字と接することのない職場はないと思います。


事務、総務、経理、営業、企画、マーケティング。


パソコンを使う仕事についていれば、必ず数字を扱うことは避けられません。


では、社会人として、立派なビジネスパーソンとして、その数字を正しく、そして十分なレベルで扱えているか、確かめたことはありますでしょうか。


【失敗例 その1】


某社営業部での出来事です。


入社8年目の中堅社員、Aさんはある日の朝、上司からこんな質問を受けたそうです。


「うちの部の先月の実績まとまったか?」


「ちょっと待って下さい、すぐ集計します。」


Aさんは、社内のデータベースから先月の売上データをダウンロードし、売上数字を合計して上司の席に赴き、その結果を報告しました。


「2652万円でした。」


上司はしばらく黙っています。Aさんの次の言葉を待っているようです。


しかし、Aさんもまた、上司からの了解の言葉を待ち、黙ってそこに立っています。


「…で?」


たまらず上司が口を開きます。


「その数字一個だけ出してどうするんだ。」


Aさんは、何を言われているのかわからなかったそうです。計算は確かにあっています。その営業部の先月実績は確かに2652万円で、1円も狂っていません。


「実数一つだけわかって満足しているのかと聞いてるんだ。」


さらに上司に詰め寄られ、Aさんは完全に頭が真っ白になりました。


この時上司の方は、「実数一つだけわかってどうする」ということを言っています。実数一つだけじゃどうも何かが足りないようです。


では、Aさんの報告には何を付け足せばよかったのでしょうか。


実は三つの指標をここに付け足せばビジネスで数字を扱う社会人としては合格ラインに達します。


もちろん、その指標を正しく素早く導ける必要があります。


さて、その三つの指標とは何でしょうか。上司から指示されないといけないようでは、高い評価など望むべくもありません。


【失敗例 その2】


とある会社の営業戦略会議での席上での出来事です。


社長以下、全役員と部課長級以上の全員が揃う、毎月開かれる重要な会議です。


各営業部の前月の実績について、各部長が順番に報告して行きます。


順調に会議が進む中、ある部長の発表の時に、突然社長が口を挟みます。


「なんだあの数字は。」


すると、問題に気づいたほかの役員や部長たちも、呆れた顔でスクリーンに映し出された数字を見ています。

そこに書いてあったのは…


「当社全体売上における当営業部の構成比 666%」


何がおかしいか、あなたにはわかるでしょうか。


それは、小学生でもできる簡単な割り算のミスによって起こったことだったのです。


何が間違っているのか即座にわからない場合は、急いでビジネスの基礎からやり直す必要があります。


「誰も気づかなかったのか君の部署では…」


社長の厳しい言葉と視線で会議の場は凍りつきました。



今ご紹介した二つの失敗例は、いずれも弊社のクライアント先でお伺いした実話です。


ビジネスの数字を正しく取扱い、現状分析を行うには、何も難しい統計解析のテクニックなど必要ありません。


足し算、引き算、掛け算、割り算の四則演算ができれば十分なのです。


とても簡単なはずなのですが、しかしその四則演算で扱う数字の種類や数は膨大な量になります。


こつこつ手作業で追いつくレベルではありません。


そしてさらに、どの数字とどの数字を足したり掛けたり引いたり割ったりすればいいのか。


これを直感的にわかるまで繰り返し慣れる必要があります。


さらに、この簡単な四則演算で、「何を」計算すればいいのか。


ビジネスパーソンにとって、必要最低限の基礎のキソです。


必要最低限の基礎のキソもないまま、この先順調にキャリアを築いていくことはほぼ不可能です。


しかし、もし今わからなかったとしても、焦る必要も落ち込む必要もありません。


1日で全て勉強することができてしまいます。


エクセルの正しく上手な使い方を急速に学ぶことで、今ご紹介した事例で出てきた問題も、自然にわかるようになります。


エクセルの数多くの機能や関数の中から、何をきちんと知って使えるようになっておけばいいのか。


その選択と集中によって、劇的なスキルアップと視野の拡大、そして余裕のある状態が生まれます。


思うのは、「仕事ができない人」というのも、いわゆる「使えないやつ」というのも、この世には一人もいないということです。


いるのは、「余裕がない人」だけなのです。


ですから、その人たちも仕事に余裕を持つことができれば、視野も広がり、冷静な判断力も身に付き、誰もが同じように活躍できるのです。


そんな状態を、エクセルの指導を通して一人でも多くの人に実現して頂く。


それが私の仕事です。


今回ご紹介した二つの事例で出てきた問題が、もしわからなかった場合は、是非一緒に勉強しに来てください。