こんにちは。
すごい改善の吉田です。
- いかにして問題をとくか/丸善
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極めて古めかしい表紙と本文の字体。
1954年に翻訳版が出版されたこの本は、スタンフォード大学のポリア教授の著書"How to Solve It"を原著としています。
数学の問題を解く際の指南書として書かれたものですが、その神髄はあらゆる問題解決や創造活動において極めて重要な示唆を与えるものです。
ここで紹介した理由は、もちろんエクセルを業務において効率的に駆使し、仕事で成果を上げるべく活用する能力を磨くのに有用であるとの思いからに他なりません。
なにしろ1954年の翻訳ですから、文体は非常に堅苦しく、決してすらすらと読み通せるものではありません。
文系の私には理解不能な数式もたくさん出てきます。
しかしこの本を通して著者が語ることは、エクセルにおいてはそのままマクロの作成において重大な意味と意義を持つ内容なのです。
極めて大切な4つの思考ステップ。
1.問題を理解すること
2.計画を立てること
3.計画を実行すること
4.振り返ってみること
これだけ見れば、そのままビジネスのPDCAサイクルの解説としても理解できます。
各ステップをもう少し掘り下げてみます。なおこれらの記述はこの書籍の裏表紙に書かれています。
1.問題を理解すること
・未知のものは何か、与えられているもの(データ)は何か、条件は何か。
・条件を満足させ得るか、条件は未知のものを定めるのに十分であるか、または不十分であるか、または余剰であるか、または矛盾しているか。
・図を書け。適当な記号を導入せよ。
・条件の各部を分離せよ。それを書き表すことができるか。
2.計画を立てること
・前にそれを見たことがないか、または同じ問題を少し違った形で見たことがあるか。
・似た問題を知っているか。役に立つ定理を知っているか。
~中略~
・データをすべて使ったか。条件のすべてを使ったか。問題に含まれる本質的な概念はすべて考慮したか。
3.計画を実行すること
・回答の計画を実行するときに、各段階を検討せよ。その段階が正しいことをはっきりと認められるか。
4.振り返ってみること
・結果を試すことができるか。議論を試すことができるか。
・結果を違った仕方で導くことができるか。それを一目のうちに捉えることができるか。
・他の問題にその結果や方法を応用することができるか。
あらゆる仕事に通じる神髄が凝縮されている記述です。私にとってはエクセルマクロの構築に思いを馳せるのはもちろん、会社経営全般にも多大な影響を受けていますし、あらゆる仕事に携わる方にとって大きな示唆となるものと思います。
エクセルマクロ、VBAの上達に悩む方には是非おすすめしてみようかな、と思うのですが、ちょっと…というかかなりとっつきにくい印象の本なので逆効果かな…とも悩むところです。
唯一の説得材料は、文系卒の私が楽しんで読めたということぐらいでしょうか…。