悲しみを 運ぶラッキースター

ねぇ あれからどこにいたの

今からでも 明日からでも

星が落ちる時まで一緒に・・・





昨日七月九日は細野晴臣さんのお誕生日だった。

76歳になられた。今年は特に、心からおめでとうの気持ちでいっぱいになった。

ご自身は今どんな心境にあられるのだろう。

お元気そうな声を聞く度に、どうかこのままでいてほしいと願わずにいられない。

お元気そうと外から聞いている身としては思うが、その裏で色んなものを背負っておられるのだと思ったら言葉にならない。




アルファ社長の村井邦彦さんとの対談が、昔の友達と会ったみたいに楽しそうだった。

「ユキヒロ」「坂本くん」とお名前も出してくれて、懐かしそうだった。

同時に、本当に懐かしくなってしまった切なさも感じた。

あるプロジェクトがボツになってしまったことが相当無念で悔しそうだった、けれど村井さんは、「それが無くなったから、YMOができたんだよ」

と、とても力のある言葉をくれた。

これも何かが運んできてくれた縁なのかもしれないと思った。


Daisy Holiday!  細野晴臣 村井邦彦 対談




「HOSONOVA」という素晴らしい作品がある。

HOSONO HOUSEのように、細野さんの「心」が伝わる温かい作品で、このアルバムの曲たちと出会えたことをとても幸せに思う。

タイトルは、「ホソノ」と「ボサノヴァ」をかけた造語。

「トロピカルダンディー」「泰安洋行」「はらいそ」「ヴュジャデ」など、素晴らしいタイトルのついたアルバムが多いことも、彼の非凡さを感じる。

「エイプリルフール」「ヴァレンタインブルー」「はっぴいえんど」「キャラメルママ」「ティンパンアレー」「イエローマジックオーケストラ」等々バンド名やキャッチコピーなどを考える天才でもある細野さんは、本当に引き出しの多い人だと思う。


「ホソノヴァ」の中にに「悲しみのラッキースター」という曲がある。

この曲は、「恋は桃色」に続く細野さんなりの真っ直ぐなラブソングのように聞こえた。

冒頭の一文を歌詞から引用しました。

この曲に並べられたどの言葉も素敵だから、このブログの最後に全て載せたので、よろしければ体感してみてください。


可愛らしさもあり、素直さを感じるこの歌詞を聴く度、気持ちがホッとする。

最近はホッとできる瞬間が少なかったから、この曲でも聴いて心を落ち着かせよう。

細野さんの曲は、テクノやアンビエントなど難しいイメージもあるが、その中でも特にファーストアルバムとこのホソノヴァは、細野さんのポップセンスが最大限引き出されたアルバムに思える。

難解さを感じるアルバムも、根底には「ポップス」があるのだと思うと、細野さんの世界は奥が深くて楽しいと思える。


ホソノヴァ   細野晴臣 (2011)



アーティストとファンは似るとよく聞くが、それは本当で、細野さんを知るようになって素晴らしい方と出会うことができた。

これも、幸せを運ぶ「悲しみのラッキースター」からの贈り物なのだろうと思ったら、心がホッと温かくなった。

ありがとう。細野さん。

これからもずっとずっと、素敵なお声を聞かせてくださいね。



悲しみのラッキースター (2011) 細野晴臣

作詞・作曲:細野晴臣



もしかして きみはラッキースター
ねぇ 今までどこにいたの
髪を切り 紅を差せば
小鳥たちも幸せ

この日から きみはラッキースター
雨の中 どこに行こう
靴を履き 傘を差せば
木も街も輝く

これから きみのためにうたうよ
ぼくの家に来てくれたら
とてもできないと思ってた
メロディーが生まれそう

悲しみを 運ぶラッキースター
ねぇ あれからどこにいたの
今からでも 明日からでも
星が落ちる時まで一緒に・・・



最後まで読んでくれてありがとうございました。

明日は星野源さんのオールナイトニッポンに細野さんが出演されますね。

ゆったりした細野さんのペースが、寝苦しい夜を涼しくしてくれるのを楽しみにしています。


2023.7.10   Sally