世相とファイト副院長 | 杉崎とも江マッサージ・はり灸治療室のブログ

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東京都多摩市の鍼灸マッサージ治療室

先日、とある患者さんから思わず耳を疑う様な話を聞

いてしまった副院長。


きっと書きながら落ち着くことでしょうが。

エピローグのただいまは怒りマックス継続中。

こいつ探し出して朝まで説教してやろうか!的なテン

ションです。



ま、そんな面倒くさいことはしませんが。



とりあえず、スタートです。







わざわざ世田谷区から一時間以上もかけて来室された、

50代女性の患者さん。

長らくエアロビをはじめスポーツ全般を嗜み、自他共

に認める『元気なおばちゃん』として暮らしてきたが、

数年前に乳ガンを罹患してから生活が一変。


以後、抗がん剤をはじめ出来うる限りの治療を耐え抜

いて、今ようやく平穏な日々を取り戻している最中な

んだそうです。




とはいえ、今も抗がん剤による副作用は否めず。

たとえば、左足の裏に『クシャクシャにした新聞紙が

当たっているような感覚がある』とか、常温の水です

ら舌がピリピリするなどの知覚神経障害が続いている

そうで、マイボトルに白湯を欠かさず携帯されていら

っしゃるそうな。



そうした不調も覚悟の上で治療を受けいれたし、生命

のためならば仕方ないものだとも分かっている。


けども、やはりツラい。




ならばと、せめて少しでも良くならないかなぁ…。

とばかり、近所の『治療院』へ赴かれたそうです。




では、ここからは彼女の実体験を。





その治療院の受付で、彼女はこう言われたそうな。


『当院は、がん患者は受付ません』




俄かに耳を疑った彼女は、院長へ取り次いでもらい、

再び症状を伝えたそうですが、やはり答えは同じ。


『当院は、がん患者は治療しません』




以来、彼女は。

『私のようながん患者にはマッサージしてくれる治療

院はないのだな。マッサージは2度と受けられないん

だ』と諦めたそうです。




それから数年。

とある方から当室の存在を聞いて、ダメもとでお電話

しましたけど…などと仰っていましたが、詳しく説明

した上で来室され、久々のマッサージを無事にご堪能

頂きました。






あー、前フリ長かったです。

いやホント、我ながら長かったです。

長篇は、怒りの現れか。



では、リスタート。





そもそも、ガン患者にマッサージをしてはいけない、

などということは絶対にありません。



仮に『マッサージで血行を良くしたらガン細胞も活性

化してしまう』と考えてしまうなら、それは間違い。

そんなことを言い出したらお風呂にすら入れません。



たとえば、初期のがん患者さんが摘出手術をした後に

すぐさま行われる歩行リハビリの際には、筋肉を刺激

するためのマッサージが日常的に行われています。



また、乳ガンなどでよくみられる『リンパ節転移』=

すなわち中期がんでも、浮腫の軽減としてマッサージ

が効力を発揮しています。



終末期、すなわち重度のガンについては、来るべきそ

の日を迎える前に、せめて『気持ちいいなぁ』と思っ

て頂けるようにマッサージを行います。






マッサージ師たる副院長は。

マッサージでガンを治すことは出来ません。

ですが、ガンと戦う力を補うことは出来ます。




と、そんな経緯から。


かの治療院の『がん患者お断り』について。

違和感より以上の『怒り』が拭えないってわけで。


なぜなんだ?どーしてなんだ?

まさか、ガンが移るとか思ってるのか?

いや、そんなわけない。

正しい知識を有する治療家がそんなバカな思想を持つ

わけがない。




いや、待てよ。まさか…………。


かの患者さんから聞いた名称から、ググりました。


○○治療院。



あーあ、やっぱり。

マッサージの国家免許がない治療院でした。

『ガン患者には』とか言うから混乱するのであって、

要するに国家資格がない治療院ってことでしたとさ。




最後まで読んで下さった皆様へ。



残念ながら、当室みたいな零細治療院がどんだけ主張

したところで、かくのような『資格がない治療院』が

のさばる世相を止められません。


治療費が高ければ資格を持っているともかぎらず、

有名だから治療効果が高いとも言い切れません。




ですが、これだけは言います。



あなたが抱える症状について。

電話口ですぐ『治せます』とか言うやつとか、

電話口で『とにかく来て下さい』とかいうやつは、

信用しないで下さいね。



むろん、○○はお断りします、なんてのは論外。



正しく資格を持っている治療院は、そんな対応は絶対

にしません。