俗に”みずいぼ”と呼ばれる伝染性軟属腫は幼児に一般的にみられるウイルス感染症です。

原因ウイルスはポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスです。

ポックスウイルス科のウイルスは他に天然痘ウイルスや当初サル痘と呼ばれたエムポックスウイルスなどがあります。

 

さて、伝染性軟属腫ウイルスは皮膚の表面の表皮細胞に感染して小さな”いぼ”をつくるウイルスです。

少し光沢があってやや透明にみえることから”みずいぼ”と呼ばれます。

有効な抗ウイルス薬がないことから、治療としては”つまみ取る”ということが行われてきました。

 

免疫が付くと自然になおることから、”とるべきか”、”自然になおるのを待つべきか”がしばしば論争になってきました。

米国FDAでは2種類の外用薬が認可されていますが、そのうちのひとつがわが国でも承認されました。

商品名はワイキャンス®外用液ですが、有効成分はカンタリジンです。

 

カンタリジンはツチハンミョウやカミキリモドキといった昆虫の体液に含まれる毒液です。

昆虫が天敵から身を守るために持っていると考えられる”毒液”ですね。

この”毒液”皮膚にがつくとやけどのような水疱を形成します。

これを”みずいぼ”に塗ることで”みずいぼ”に水疱を形成して取り除こうというわけです。

抗ウイルス作用があるわけではないですね。

 

”みずいぼ”以外の部分についてしまうとそこがやけどのような水疱になってしまいますから危険です。

外来で医療者が丁寧に塗っていくという使い方になります。

処方薬として自宅で使用することはできません。

値段も高そうですから”みずいぼ”治療の第一選択になるかどうかはまだわかりません。

それでも、選択肢が増えるというのはよいことでしょう。