先日帯状疱疹ワクチンで認知症リスクが下がるかもしれないということを書きました。

 

帯状疱疹ワクチンには他にも心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントを減らす効果もあるかもしれないとのことです。

 

米国の大規模コホート研究によると、20万5,030例のうち追跡期間中に3,603例の脳卒中と8,620例の冠動脈疾患が生じましたが、これらに帯状疱疹の既往が関連していたとのことです。
具体的には、帯状疱疹の既往がない群と比べ、帯状疱疹の既往がある群では帯状疱疹発症から1~4年で1.05倍、5~8年で1.38倍、9~12年で1.28倍脳卒中発症リスクが高かったとのことです。

心血管イベントもそれぞれ1.11、1.26、1.27倍と高くなっています。

この理由としては、帯状疱疹ウイルスは再活性化によって血管内皮に炎症を引き起こすことがあるため、その影響が心血管疾患につながると考えられます。

 

また、韓国で行われた200万人以上の大規模コホート研究では、帯状疱疹ワクチン(主に生ワクチン)の接種により、心筋梗塞、脳卒中、不整脈などの心血管イベントが最大26%減少することが明らかになりました。

 

この説明としては、ワクチンでウイルスの再活性化を抑えることで、血管内皮の炎症が起こりにくくなっている可能性が指摘できます。

一方で、認知症の場合と同様にワクチン接種した人としていない人では健康に対する興味や意欲に違いがあるため、そういった背景が影響している可能性も否定できません。

 

確実な方法としては、同じ背景をもつ人にワクチンとプラセボを無作為に割り付けて2重盲検で前向きの比較試験を行うことでしょう。

しかし、かなりの数のサンプル数が必要なことや、長期間にわたる観察が必要なこと、プラセボにあたった人はワクチン接種の機会が奪われることなどの問題点があり実行はなかなか難しいかもしれません。