入札事件防止の特別委員会で、議員間討議 | 府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

府中の元気・杉村康之の 「ハッキリYES、ハッキリNO」

初めて議員になった時、びっくりしたことが3つ
一つは、議会なのに議員同士の議論がないこと
一つは、議会自らが条例をつくらないこと
一つは、審議の前に予算への賛否を聞かれたこと
二元代表制の地方議会では是々非々が筋
だから僕は「ハッキリYes! ハッキリNo!」

 

11月5日、府中市議が逮捕された事件に関わる再発防止のための特別委員会が開かれました。正式な名称は「公契約関係競売入札妨害事件に係る再発防止対策特別委員会」です。

この特別委員会は今回で3回目
第1回は9月3日、正副委員長の選出など、
第2回は10月8日、議論する内容についての各会派から洗い出し、
でしたので、今回でやっと本格的に議論が始まった形です。

前回の洗い出しでは、公契約条例の検討や第三者委員会の設置など、いろいろな提案が出されましたが、公明と市民フォーラムから出された提案は「倫理条例」の新設のみでした。市フォからは村崎委員長、公明からは奈良崎副委員長が出ています。

 

杉村は自由クラブの枠で委員になっています。洗い出しでは、いくつかの提案の一つとして議会基本条例の検証をあげました。ここに触れずして、再発防止はあり得ないと思うからです。基本条例は第4条で政治倫理を規定していますが、これを策定したときの委員長が村木元議員で、自民党の策定メンバーが臼井元議員であり、策定の当事者自らが基本条例に違反しました。

 

共産・生活者ネット・市民の風も同様に基本条例の検証を提案しました。ただし私たちも、自公市フォの提案を受け入れて倫理条例もよいとは思うが、まずは基本条例の検証をして、その上で倫理条例を検討したらよい、としました。自民党は、倫理条例とその他にいくつか提案していました。

この前回の洗い出しを委員長が整理した上で、今回、3点の議題提案がありました。
①議会基本条例を検証しつつ、倫理条例の制定を検討する。
②契約については、全体で意見がまとまれば議会として提案する
③事件の解明については、公判の推移を見守る

前回の議論で、全会派が賛同したのが倫理条例だけなので①となり、その他の提案(②や③)については全会派共通ではないので、今後まとまるようなら議論する、という理屈です。つまり、②と③についてはまとまらなければ議論しない、という意味です。ここからは、再発防止対策は倫理条例の新設のみで済まし、その他については取り扱わない、という正副委員長、市フォ・公明の意図が見えました。

 

再発防止のためには、倫理ももちろん大切ですが、倫理だけで再発防止ができるでしょうか。事件を生み出した、制度や習慣に起因する背景を検証する必要があると私は思います。

 

議論の流れは大まかにこんな流れでした。
 

【杉村】

「倫理条例は一つとしてありだと思うが、倫理をただすだけでは再発防止には不充分である」

「なぜこのような事件が起こってしまったのかの検証が先にあるべき。この点からも、基本条例を検証「しつつ」ではなく、先に行うべきと思う」
【公明】
「話は極めて単純で議員がそのような行為をしないようにすればよい。倫理条例が本丸である。」

【杉村】

「自民党さん、倫理だけで、再発防止ができると思いますか?」

【自民】

「○△×#&@$!、、、」(不明、後日議事録を確認)

【杉村】

「委員長の提案に歩み寄ろうと思っているのですが、倫理が本丸と言われてしまっては歩みよれない。基本条例を検証しないなら倫理条例には反対です」

【市フォ】

「他市の倫理条例を見ると必ずしも倫理だけでない。多様な観点が盛り込まれている。」

【杉村】
「多様な観点を盛り込めるならよいと思う。そうであるなら、倫理条例と言わず、〇〇防止条例というように名前を考えたらどうか。」「さらに条例を議論するにあたって、「しつつ」ではなく、まずは基本条例の検証を含めて、なぜこのような事件が起こってしまったのかを考えることから始めるということでどうか。」

【公明】
「倫理条例を議論する際に、冒頭で多少時間をとって基本条例の検証などの議論するのもありかと思う」
(※以上は記憶とメモによりますので、正確には、後日公開される会議録をご確認ください)


という議論の展開だったかと思います。ここには議員間討議による歩み寄りがあります。役所に質問して答弁を得る、という中では得られない成果だったと思います。概ねこの議論の趣旨を踏まえた形で委員長が最後にまとめをして、この日の議論は終わりました。


臼井氏、塚田氏(元部長)の公判がありました。その中で、塚田氏が情報を漏らした動機にも触れています。
・入札不調が続き、不調にしたくなかった。
・村木氏には、議会の質問で追求を弱めるなど協力してもらえるだろうと思った。
・村木氏に教えたことが臼井氏にも伝わっていたら臼井氏にも教えないわけにはいかないと思った。

などです。だとすれば、やはり倫理だけでなく、なぜ府中は不調が多いのか、議会の場で追求を弱めるなどの取引が行われているのか、など制度や運営の問題も浮き上がってきます。

次回委員会は12月3日ですが、まずは「なぜこのような事件が起こってしまったのか」を検証していく方向に議論を持っていきたいと思います。