術後に優しいヨーグルトと、
シナモン入ってそうなアップルパイと、
ダイソーの小銭入れ(イヤホン用ケース)




以下、スピ系。
苦手な人はまた遊びにきてね。


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【過去世シリーズ】

前回の、

今回は、
②ケーンさん(仮名)の物語です。

※全5話の予定です。


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②ケーンさん(仮名)の物語




ウチは家族全員が綿畑で働いてる。

家族といっても、
母方の叔母と娘夫婦と子供が一人、

甥の俺を入れての五人家族。


両親は子供の頃に亡くなったから、
全然覚えていない。


一応、俺の父親と、
道具屋のカケル兄さんキョロキョロが、
遠い親戚らしい。

そうと聞いてもピンと来ないし、
なんかそうならそうなんだな~?って感じ。





ケーン口笛18歳
「サンちゃん、教会はどうだい?」

サンニコニコ13歳
「みんなで聖歌の練習だよ!」

ケーン口笛
「そっか、俺も仕事終わったら行くよ」

サンニコニコ
「わかったー!」




サンちゃんも遠い親戚で、
両親を亡くして教会に住んでる。

本来は俺もそうなるハズだったんだし、
なんか気にかけてしまう。





村の集会所~


都の商人
「この採れ高じゃ冬がキツいなぁ…」

商店の主人ショボーン
「綿畑が痩せていて…羊も飼料が…」

商人
「飢える前に革にしちまった方がいいかもな」


ケーン口笛
「…まだ話、終わらないの?」

商人
「お、ケーン!約束の世界地図持ってきたぞ!」

ケーン口笛
「やった!早く見せて!」





商人は面白い人だった。

いつも国外の最新の物を持っていて、
田舎者にもケチらず教えてくれるし、

鉄道や巨大鉱山の話を聞いた日なんて、
村中の皆が大興奮したし、

俺なんか2日も眠れなかったんだ。




商人ウインクアメリカ
「世界は広い!だが、これからはアメリカだ!」
「投資家も学者も美女もこぞってアメリカに集まる!」
「イヤッフゥー!


ケーン口笛アメリカ
「アメリカ~!行きてぇ~!





この村は貧しいから、
俺は皆のお荷物になる、

もうずっと、そんな気がしてるけど、

自分から捨てて行くことが出来ない。


困った根なし草に風が吹いたのは、
ほんの数年後。


命からがら逃げ戻ったという、
あの商人が語ったマズい戦況。


この村から外へはもう、進めない。


それどころか、

敵国からの都攻めに、
格好の近道だと指摘された。






村人が続々と疎開~


カケルキョロキョロ24歳
「俺は残るよ。戦が終わっても家が荒れてたら戻ってこれないだろ」

じいさん真顔←膝を壊して寝たきり
「…危なくなったらお前も逃げろ」

嫁子供えーん
「無事でいてね!!」



~~


ケーン口笛20歳
「俺は残るよ。何かあったら走って追いかけるから」

叔母えーん
「なに言ってんの!アンタだって私の息子だよ!」

ケーン口笛
「ありがとう叔母さん」



~~


サンニコニコ15歳
「教会に残るよ。孤児は行くとこないし」

カケルキョロキョロ
「都の教会か…それか東の村か…」

サンニコニコ
「どうせ断られるよ。それに俺はこの教会を守る」






疎開が一段落して、
食料はとりあえず庭に生えてる。


商人の助言で潰してあった羊革は、
村が丸々一つ疎開するに足りたし、

しかも、その際にどさくさで、
俺はイケてる革のベストを手に入れた。


端切れを集めて作った商品を勝手に着てたら、
商人が「切れカスくらい着せてやれよwウインク」と、
本革取引のどさくさで話を付けてくれた。





2ヶ月後~


都の偵察軍馬馬馬ドドドド…!
「敵襲ー!騎馬来るぞぉぉー!」
「今すぐ逃げろー!全員避難しろー!」



ケーンガーン
「…!…!来た!」


カケルキョロキョロ
「…来たか…」


サンプンプン
「…みんな!隠れて!」






次回、
③サンちゃん編に続く!