「きみはまだ、ぼくにとっては、ほかの十万の男の子となにも変わらない男の子だ。だからぼくは、べつにきみがいなくてもいい。きみにとってもぼくは、ほかの十万のキツネとなんの変わりもない。でも、もしきみがぼくをなつかせたら、ぼくらは互いに、なくてはならない存在になる。きみはぼくにとって、世界でただひとりだけの人になる。ぼくもきみにとって、世界で一匹だけのキツネになる……」
サン=テグジュペリ、河野万里子訳『星の王子さま』新潮文庫、2006年、98-99頁。