　先日、患者様から、但馬のチョコワッフルサンドをいただきました

　E.N.様、ありがとうございます

　ありがたくいただきます

　さて、タイトルにもありますように、日本では、自費診療（健康保険外の治療）に該当しますが、美容整形があります。

　しばしば整形外科と混同されている方もいらっしゃいますが、美容整形は、治療目的ではなく、「容姿を整えることを目的」としていますので、日本においては、健康保険での診察・処置・手術は認められておりません。よって、自費診療ですね。

　一方、整形外科は、骨折や捻挫などの外傷、脊椎や関節疾患などを扱います。もちろん、健康保険による治療です。

　最近は、医学部卒業後、各科での研修を行って、わずか卒後3～4年で美容クリニックで勤務するドクターが多いようです。なぜかと言えば、給与が良いということですね。自費だけに、値段設定も自由ですから、手術件数次第では、わずか1日の売り上げで、自動車1台分買えるでしょうね。

　医学部卒業後、どの科を選ぶかは、自由ですし、どの医療機関に行くかも、自由です。

　ただし、一人前になるまでに、それなりの経験を積む必要があると思うのです。

　経験の中には、失敗もあることでしょう。その失敗を繰り返さないことが大事ですね。そして、もし、患者様の命にかかわるようなことが起こった時に、適切に対処できるように準備しておく必要があります。

　先日、美容クリニックで、顔の脂肪吸引をした患者が、術翌日に気道閉塞で死亡しました。執刀したドクターは、手術をした後、患者に腫れや息苦しさの訴えがあったのにも関わらず、適切な対応をしなかったようです。その患者は、自宅近くの医療機関（①とします）に行ったようです。その医療機関での対応は不明ですが、夕方に自宅で死亡されたようですね。

　冷たいようですが、診察した医療機関①としては、「治療・手術した美容整形で相談して下さい」という対応になると思います。

　理由は、自費診療後のフォローを、保険医療機関（我々のような健康保険を用いる治療をするところ）が、健康保険を用いて診ることは、厚労省は認めていませんので・・・。よって、今回の場合は、例え保険医療機関であっても、すべて自費扱いになります。

　診察した医療機関①は、おそらくその息苦しさを訴えた患者様には、美容クリニックでの治療後のフォローであったので、「自費であれば、処置・入院可能です」と冷静に説明したのかもしれません。自費入院って、すごい額になることが予想されます。高額療養費制度（これも健康保険）も利用できませんから・・・。息苦しさもあったと思いますが、高額な自費ということであれば、患者様は、躊躇しますよね。

　気道閉塞って、本当に怖いですよ。例えば、やかんの高温の蒸気を間違って吸ってしまった場合（子供に多いかもしれません）、顔にでも火傷があれば別でしょうが、見た目何も起こっていないと思っても、気道が火傷を起こしており、徐々に炎症が進んだ結果、気道が細くなります。息を吸いたくても吸えなくなるのですね。

　どんどん症状が進めば、顔はチアノーゼ（唇が紫のイメージ）になり、意識が遠のきます。

　命の危険が及ぶ場合は、気管内挿管や気管切開が必要となります。前者はすぐにできます。後者は準備に時間が必要です。かなり気道閉塞が進んだ状況においては、チューブを挿入する必要がある気管内挿管は、狭窄が強くて、挿入できないことがあります。いずれにしても危険な状況になりうる気道閉塞は、1秒でも早く対応が必要ですね。

　私が言いたいのは、手術・処置を行うのであれば、術前後もしっかり対応するのがドクターの責務だと思います。

　美容クリニックのホームページを見ていたら、ろくに専門医も取らずに、治療・処置をしているドクターが多いと感じます。中には、卒後3年4年くらいで、その美容クリニックの院長になっているドクターもいます。大変危険です

　一応、美容で仕事をするならば、形成外科専門医は必須と私は考えます。整形外科専門医や内科専門医などと同じく、卒後8年以上が必要です。8年間は、下積み期間で、しかるべき保険医療機関でいろいろ経験を積む必要があります。

　若くして美容クリニックで勤務しているドクターは、リスク管理が甘いと思います。若手ドクターは、給与がいいということだけで、安易に美容クリニックには行ってほしくないですね。

　なお、美容クリニックもかなり飽和状態になっていると聞きます。勤務するドクターの給与も、今後、どんどん下がってくると思います。

　そうなったら、そういうドクターって、どうするんでしょうか？美容クリニックでの治療を続けるのか、保険医療機関で勤務するのか・・・。しかし、美容だけの経験では、保険医療機関で対応はなかなか難しいでしょうね。給与も少なくて、年下のドクターには、こき使われ・・・。まぁ、わたくしの知ったことではありませんが。

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すがぬま整形外科クリニック公式ホームページは下記です！

https://suganuma2017.com

ありがとうございます！その484＋美容整形のリスク・・・