子育てに携わる親や大人に必ず知って欲しい病気のひとつが睡眠時無呼吸症候群です。我が国では中等症以上の成人睡眠時無呼吸症候群有病者数が900万人いるのに対し、治療をしている人が50万人にも満たないのが現実です。

睡眠時無呼吸症候群の中には、肥満や日中の眠気がない人が大勢います。我が国の睡眠時無呼吸症候群患者の4割が肥満でなく、半数は日中の眠気がありません。医者ですら、肥満や日中の眠気がなければ睡眠時無呼吸症候群を疑わない者がいるくらいです。一般人なら尚更でしょう。

睡眠時無呼吸が何故精神科?と思われた人もいるでしょう。実は、睡眠時無呼吸症候群は、うつ病にそっくりな症状を来すのです。実際、うつ病と診断された人の中には、実は睡眠時無呼吸症候群だったという人が相当数います。物騒な言い方ですが、これは誤診です。もうひとつ、睡眠時無呼吸は頑固な不眠の原因にもなっています。従って精神科医は、不眠を訴える患者に対し、必ず睡眠時無呼吸症候群を疑わねばなりません。何故なら睡眠時無呼吸では、睡眠薬を飲めば飲むほど眠れなくなってしまうからです。

ここからが本題です。睡眠時無呼吸症候群は大人だけの病気ではありません。3歳で睡眠時無呼吸症候群と診断される子もいます。いわんや小学生中学生にはゴロゴロいます。学力低下はもちろん、疲れやすく、意欲も低下し、あたかもうつ病のような症状を来たし、頻繁にブチ切れるようになったりもします。ADHDと誤診される場合もある。勉強を頑張っているのに成績が伸びない子や集中が続かない子、気が散りやすい子は一度は睡眠時無呼吸の検査を受けることを強くお勧めします。