▼このシリーズ、めちゃんこすき。
聖書の中身はよく分からんけど、聖書にまつわる人殺しの場面をあつめたアート本。
「悪い事したら、ヒドイ目にあうよ!」という教えが発端だとおもうのだけど、悪いコトをしない教訓より、「どんな悪いコトしたの?」という好奇心が勝って、いろんな罪を創りだしてったんちゃうかと思う。これみながら、そういう思いに至った。人を殺すことで罪を教える宗教って、価値がようわからん。宗教画は美しいけど。
▼旧約聖書にでてくる「サムソン」というイスラエル・ペリシテ人にとって敵だった大男にまつる噺。サムソンが悪人だったわけでなく、ペリシテ人に長年虐げられていたダン族の民で、よいしょよいしょで主の霊がおりてサムソンに特別な力を与えていたんだそう。
サムソンに村をめちゃくちゃにされたペリシテ人が、サムソンが恋したデリテという女を利用してサムソンの弱点をさぐり、髪を切り落として弱体化させている場面。
シーツの質感や、筋肉の質感がキレイ。
▼このデリテは魔女感がある。手前の男の体はどういう状態やろうか 笑?
▼弱体化されて片目をえぐられ奴隷となったサムソンにふたたび主が降臨。怒ったサムソンは神殿の日本の柱を折って、その場にいたペリシテ人3000人を殺し、自分も心中の図。
次はゴリアテシリーズ。
▼旧約聖書の「サムエル記」に登場するペリシテ人の巨人兵士ゴリアテ。
羊飼いのダビデがゴリアテの首を落とす場面。妙に生々しい首。弱者が強者を打ち負かす喩えとして有名な話なんだと。ダビデの像は知ってたけど、そんな背景があるとはつゆ知らず。
▼旧約聖書「ユディット記」より。
降参寸前まで追い込まれたユダヤ人たちは、最後の策として敵将ホロフェルネスの元に美しいユディットを送り込んだ。ユディットは数日ホロフェルネスの相手をし、気が緩んだところで首を斬りおとしたという。
ま、このユディットの描き方も画家によってさまざまなのだ。
▼猛々しさはあまりなく言われたからやりましたけど?的な表情のユディット。
▼こっちは「戦士」のような描き方をしているユディット。
▼娼婦っぽい。
▼乳丸出しなのは、色仕掛けをにおわせるため?
▼あまりにも有名な作品だが、半裸で恍惚の表情をうかべるユディットは、殺人に目覚めちゃったのかもね。
つづく