「妲己のお百」はしめて、きいた!
怖かった~、怪談ギライな人なら、逃げたくなったかもしれん。
あいにく、わたしは最前列のほぼセンターやったから、
逃げるどころか、談春師匠の表情にかぶりつきでみてたけど。
京都には、歌舞伎役者や落語家がかよう「いそむら」というバーがあったらしい。
歌舞伎をはじめ、日本の芸能をこよなく愛するマスターは、物言いがはっきりしていて、おもしろい人で、役者たちにながく、ながく愛されたBARだったと。
そのマスターが、昨年、お亡くなりになられて、弔いをかねた一席をと。
「宮戸川」で、あいくるしいおばあさんが三途の川を渡る話を、
くしゃくしゃな顔でたっぷり演じてるなと思うたら、また突然、終わった(笑。
そして、いそむらさんへの弔いで「権助芝居」に。
これははじめて聴く噺。
むかしは、娯楽が少ないというが、金持ちが道楽で、町内の人をあつめて、
芝居をうって、お金もとって、楽しませる工夫をしてたんやなと。
プロの役者じゃなくて、近所の人って。
みな、芝居の話するの楽しかったんやろうなと、うらやましい文化やった。
田舎の方にいくと、村民歌舞伎とかまだ残っているところはあるけれど、
それはもう、奉納祭のひとつとしてカタチをかえて残ってるだけだから、
娯楽というより神事にちかいのかもしれないな。
談春さんの落語は、すぐに絵が浮かぶし、登場人物たちのその後も、勝手に想像してみるのも楽しい。
本当にこの人の落語、だいすき。
聴いてるだけで、あたらしい想像力がわいてくる。
休憩挟んで、軽く会釈だけして、急に始まる落語。
登場人物「小さん」の名前が出たとたん、小三治師匠のマネをして、すぐに自分をしかる。
「オレは、どうして自分で緊張感を壊してしまうんだろうな(笑」
わたしは、そういうところが好きなんですけど・・・。
「きりかえ、きりかえ」と自分に言い聞かすように、先に進む。
天竺を潰し、唐土を潰し、いよいよ居場所がなくなり日本に逃げてきた「妲己」と呼ばれる遊女の話。
「妲己」は、神道では稲荷神社と習合されている。ヒンドゥー教のダーキニが発祥で、シバ神の妃ではあるが、元は血をすすり、人肉を喰らう夜叉女である。
そんな異名を持つ遊女小さん。
はじめはキップがよくて、面倒見がいい女だったのだが、瞽女の親子を気まぐれで面倒みようとしたところから妲己にどんどん変わっていく。
これが、怖い。悪い。怖い!
そして、、、、、ゴ~~~ンからの、じゅ~べぇぇぇぇええ!
こわぁ~~~!
そして、突然の幕切れ!
あれ、小さんのところに行かへんの??
はい、またおいてけぼり(笑。
談春さんの怪談、久しぶりにきけて至福。
3席おわったところで、談春はプーチンって話をしはじめた。
こんな怖い噺のまま、帰すのもなんだと思うから、
最後に笑って帰ってもらおうと。
最近、ようしゃべってらっしゃる。この時間も、至福。
今回の会場は家から1時間半。
平日の18時半開演で、ギリギリまでリモート会議に参加してたから、
終焉後の携帯の電池の残りは21%!
どうしよう?!どうしよう?!と思いながら、
落語好きの後輩と合流し、「赤垣屋」へ。
終電でかえり、家に着いたら残り4%。
なんとかなるもんやで。
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<今日のいちまい>
「あいつ、死んだらエエのに!」
むかしの出町柳Fなら、絶対にくちにしなかった言葉を連発してた。
あんまり人の悪口を言わないし、批判しない男やったのに。
もう、アレも、コレも、悪口だらけ。
なんか、ガッカリしてしもうた。
呑みに行っても、多弁なほうでなく、ニコニコニマニマしてる男やったけど、
こんなに汚く、悪い言葉を吐くオッサンに変わったなんて、残念すぎる。
しばらく、こいつと呑みに行くのはやめよう。
忙しくなると、心を亡くすというけれど、
まさに、その典型やったな。しかも45歳で、そうなるか?!
みっともない男になってて、腰抜けそうやった。
いや、抜けへんけど。
ドン引き。
せっかく落語、さいこー!やったのに、
最後おもんなかったーーーーー!!