94歳!なんて素敵な女性なんだろうか。
細身で、長身なスタイルをいかして、全身色であふれている。
個性的なアクセサリーを幾重にも重ね、まとまりのあるスタイリングにする。
杖をつきながらも、背筋はのび、あきらかにタダ者ではないオーラをまとっている。
みた瞬間、わたしは彼女のファッションに釘づけ。
さらには、スタイリング講座での講演、TVショッピングでのゲスト出演、TVショーの出演、雑誌の取材、表彰式、アクセサリーの仕入れなどなど、アイリスは精力的に活動し、鋭い言葉を発する。そして、家の中も、ワンダーランドのように雑貨屋小物であふれていた。
住んでいる世界が、ぶっとんでる!
もう、かっこいい!かっこよすぎる!
アイリス自身、だんなさんと二人でインテリア関連の仕事をしていて、
ファッション業界とまったく接点がなかった人、84歳まで。
ただ、アメリカ1、2を争うファッションコレクターで名をしられていて、
メトロポリタン美術館から企画の声がかかったことで、ファッション界でひっぱりだこになった。
彼女がコレクションしている服と、アクセサリーを、
アイリスのスタイリングで展示する企画展。
当初、大々的に宣伝活動していなかったのだが、
口コミで広がり、メトロポリタン史上記録となった企画展となり、アイリスが一気に注目された。
おそらく、ファッション界はコレクターのアイリス自身のスタイリングを知らなかっただけだと思う。
ご自身のファッションは奇抜で目立ったかもしれないが、
本人がスタイリングしているかは知りようがないから。
だが、企画展で披露されたアイリスのスタイリングは、ファッション業界の度肝をぬいた。
ふつうなら、とっくに仕事引退して、のんびり暮らしている80代、
急激にファッション界から声がかかり、一日中仕事をしているような状態に。
ひとつひとつの仕事を丁寧にこなし、手を抜かず。
毅然とした態度は、めちゃくちゃかっこよかった。
だんなさんもステキな人で、
「アイリスといると、毎日が刺激的でたのしいんだ。あきることがないね」と、
いい、アイリスが活躍する場所にいつも寄り添っている。
この映画では、80をすぎて体力がおとろえ、記憶もあいまいになってきている
だんなさんとの終焉の夫婦愛も描かれている。
仕事を精力的にこなすため、子どもをつくることを望まなかった二人。
家族は、ふたりだけ。
なにげない会話が、たがいを思いやっていて、ほんとうにステキだった。
もし、自分の身近にこんな夫婦がいたなら、わたしも結婚を考えたかもしれないなと、思う。
わたしはブランドファッションにまったく興味がないが、
画面には、欲しい服がいっぱいあった。
変わった服、楽しいカラーの服が大好きで、
アイリスのコレクションには、楽しくなる服がたくさんあった。
それらも、引き継ぐ家族がいないから、メトロポリタンに徐々に寄贈していっていると。
心が引き裂かれそうな思いだと言っていたが、
コレクションは倉庫3個分だそうだ。もう、覚えてさえいないんちゃうか。
それはさておき、
日本は、大阪は、無難なアースカラーの無地服が多すぎて、
ユニクロは日本人の制服みたいになってるし。
もっと自由にデザインされた服がほしい。
“売れる服”でなくて、“楽しくなる服”がほしい。
みんなおんなじカタチで、おんなじ色やないか!
こんな量産服ばかりデザインして、日本のデザイナーたちは楽しいのだろうか。余計なお世話か。
あーーー、海外で、洋服買いたくなってきた。
_________
2014年アメリカ
監督:アルバート・メイズルス
出演:アイリス・アプフェル、カール・アプフェル
※2022年現在、アイリス100歳!残念ながらカールは死去してた。
▼
このドキュメンタリー映画の中で、アイリスの写真をとっていた老齢の写真家が、ブルース・ウェーバだった。彼の70~80年代に撮った写真がすきで写真集をもっている。まだ活躍していたとは。
久しぶりにアートな世界を満喫できた。
______
<今日のいちまい>
あまりにも寒いので、数年ぶりにホカぺを出してあげたら、
ホカぺから離れんくなった、うちのにゃんこ。
なんだ、もっと早くに出してあげたらよかった。
▼コロンビアの「キャノ・クリスタレス」という川を紹介する番組みて、息をのんだ。
世界でもこの川にしか生息しない水草が、乾季になると川の中で紅葉する。
水の流れにのって、ゆらゆらとたゆたゆ水草と、藻と、鉱石が、川を七色に彩る。
みたことない景色で、めっちゃきれいだった。これは8Kでみるとより感動的なんだろうな。
ながく革命戦争が続いていたコロンビアは、世界に知られていない秘境の地がたくさんある。いろいろな研究者が調査に入り、独特の生態系を作っているコロンビアは注目の場所なんだそう。
めっちゃ、キレイだった!