映画 羊たちの沈黙 なんど見ても気持ち悪い最高傑作 | 気むずかしい いろいろ

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シリーズ4作品を立て続けにみて、これを最後にみたのだが、

やっぱり1作目がいちばん、シンプルでこわい。

 

残酷な手口で人を殺し、人肉をくらうレクター博士と、

大柄女性を殺し、生皮をはぐバッファロー・ビル事件の犯人

バッファロー・ビル事件の犯人逮捕のため、

レクター博士にアドバイスを求めるFBI捜査官見習いのクラリス

 

クラリスのトラウマの象徴である「羊」と、

連続殺人犯の心情をあらわす「髑髏の顔をもつ蛾」と。

 

隠喩、比喩が多く、詩的な表現や映像も多い。

このあたりの映像表現が、ただのスプラッターホラー映画にならず、

広い層に支持された理由なんだろうか。

 

殺した女性の皮をはいで、ミシンで縫い合わせたパンツをはくシーンがあり、

ここがとても重要で、猟奇な場面でもあるのだが、

日本では当然ぼかしが入り、この場面が示す意味をくみ取れなくなっている。

 

あの場面、ボカシなかったら、ギョッとなるはず。残念。

 

人皮で服やカツラを作った実際の殺人犯がいる。

1957年に逮捕されたエド・ゲイン。

 

1990年代に話題となったFBIプロファイラーの誕生とともに再度有名になったエド・ゲイン。

最愛の母をなくし、母を恋しく思うがあまり、母と同年代の老女を殺し、かわをはぎ、母を再現しようとした

男。

 

なのだが、この映画では、レクターに焦点をあてていて、

バッファロー・ビル事件の男の内面にはフォーカスをあてていない。

 

映画ラスト、クラリスが単身犯人の家ののりこみ、

まっくらな地下の部屋で、犯人が暗視ゴーグルで近づくシーンは、

ジョディー・フォスターの演技力の高さが際立つ。

 

シンプル構成で、すばらしく気持ち悪い映画だった。

 

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1991年アメリカ

監督:ジョナサン・デミ

出演:ジョディ・フォスターアンソニー・ホプキンススコット・グレンテッド・レヴィン

 

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<今日のいちまい>

入社2年目の後輩女子と、家の近所でさし飲みしてみた。

めっちゃ近所で一人暮らしをしていて、入社初日からリモート出社で、

約2年で総出社日数が、60日以下だというから、

“会社という集団”になじめてなくて、孤立した気持ちになっていないか、

なかなかなじめず不安になってないか、気になっていた。

 

ここ数か月、一緒に仕事をして、だいぶん心がほどけてきたから、

「近所で、のむ?」と声をかけたら、めっちゃうれしそうに「行きましょう!」と言ってくれた。

 

コロナ禍まえなら、社員全員が月1回集合して、

どうでもいい会議を2時間ぐらいひらいていたのだが、

あの退屈な会議がオンラインに代わってしまったことで、

全員にまだあえてないし、名前もおぼえてないと言う。

 

そして、分からないことを、だれに聞いていいのか分からん時もあると。

 

わたしは、コロナ禍前のあたりまえの習慣を「むかしは、、、」と言っていた。

 

あれはもう、昔のことなのか。

「平成時代は、、、」といずれ、言うてしまうんだろうな。

 

平成入社と、令和入社で、基準と価値観が大きくかわるのだと実感した時間だった。

 

彼女が、この会社に入社したことを後悔しないように、

てきどな距離でサポートしなければ。

めちゃくちゃ酒が強いことが分かったから、年が若い子とつなげることをしようと思う。

 

さいきん、お節介虫が、数年ぶりにうずきだしているのは、なんでだろうか。