舞台は大阪万国博覧会が開かれた1970年前後の大阪。
おそらく東成区の鶴橋あたりのコリアンタウン。
在日コリアンたちがバラックで、焼肉つつきながら、
笑い合ったり、恋したり、不倫したり、親子の絆を深めたり、
ケンカしたり、泣いたり、笑ったり。
高度成長期の真っただ中、日本が大きく変わろうとしている混乱期、
戦後も日本に残った人、日本に出稼ぎにきた人、
済州島の三・四事件で帰る場所を失った人。
いろんな事情で日本にいる朝鮮人が集まる焼肉屋ドラゴンでの人間ドラマ。
長女、次女、三女、長男の4人の子供を含む家族と娘たちの家族ドラマでもある。
朝鮮学校でなく、日本の学校にイヤイヤ通いイジメを受ける長男。
子供の時に幼馴染と立入禁止区域に入ってしまったためケガをし、足を引きずる長女。
長女の幼馴染と結婚してみたものの、姉への未練をぬぐい切れない夫に不信感を抱き、
自暴自棄になる次女。
働いているキャバレーで店長と不倫している三女。
ありふれた状況ではあるが、娘たちを優しく見守る寡黙な父、龍吉がいいキャラクターだった。
鶴橋にいそうなパンチパーマのどっしりしたお母さんもすごく良い。
父と母役の俳優は、韓国で活躍する俳優たち。
不慣れな日本語のはずなのに、すごく温かい演技だった。
すごく温かい言葉だった。ジーンときた。
井上真央の口汚い罵りにも驚いた！
なかなかの迫力でドスがきいてて、いい演技だった。
なかなかいい映画でした。
2018年日本
監督：鄭義信
出演：大泉洋、 キム・サンホ、イ・ジョンウン、真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、 大谷亮平