舞台 エリザベート(2019)2回目 井上芳雄FCクラブ貸切公演 | 気むずかしい いろいろ

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本当は、7月5日(金)の夜公演なんだけど、

公演終わりで、FCクラブイベントがあったから、

ネタバレ禁止のため、公開を1日おくらせたのです。

 

 

キャスト:井上芳雄、愛希れいか、山崎育三郎、田代万里生、三浦涼介、香寿たつき

 

 

 

今年の公演、2回目。

入り口ではFCクラブ会員証を見せないといけないのだけど、

そんなことすっかりど忘れしてたけど、

偶然、お財布に入っていたので、モタモタせず入場できた。

 

帝国劇場のキャパは1897名。

FCクラブ貸切公演は2公演だから、

約3700人の井上芳雄ファンだらけになった公演。

 

みなさんFC会員歴ながい人多いから、客層は99%女性。

40代以上の普通の主婦っぽい人が9割。

中国語も聞こえたから、海外からも来てるのか?

いろんな思いで、皆きてるんだろうな。

そして私も。

 

FCクラブ入ったの2016年だけど、

年々、年々ミュージカルのチケット取りにくくなってる。

ストレートプレイはまだ落選しないけど、

ミュージカルは本当に難儀。

 

 

入場して配られたのがこのミニうちわ。

4000部作ったら原価は、、、、。

イヤ、仕事の事は忘れよう。

 

物販は、あまり欲しいものがなく、

無難なクリアファイルは井上芳雄バージョンは売り切れ。

衣装をモチーフにしたチャームも売り切れ。

ポスターは完全受注販売。

Tシャツとメモ帳、トートバッグがあったけど、

いい年した大人がそれ、どこで使うん?どこで着る?

みたいなグッズ選定だったわ。

物販は舞台収入の要なのに、グッズ展開イマイチだったな、、、、。

イヤ、仕事の事は忘れよう。

 

 

完全にお茶ひいてるフォトスポット。

無地。背景のみ。

誰が、どんな目的のためにここで撮影する??

せめて、舞台を再現したミニチュアでもあれば、SNSにあげるネタになるのに。

完全に失敗したフォトスポット。

いや、仕事の事は忘れたい!!

 

ロビーをうろつくと仕事目線が入るのでとっとと席へ。

X席の上手端っこという、芳雄くんの背中ばかり見る席になり、

嘆いていたのだけど、これはこれでいい席だった。

舞台の全体像が見えるし、

コンタクトは無理矢理1.2まで見える視力まであげたから。

オペラグラス、手放せないってほどでもなかった。

 

あと、前回は前の席に背の高いおじさんが座ってたから、

頭が邪魔で、それ避けながらみてたから、

意外と舞台を集中してみてなかったことに気が付いたわ。

 

今回は芳雄ファンオンリーだから、みなマナーいいし、集中できた。

 


<よかったところを箇条書き>

◎相変わらず、天から降るような透明感のある声。なのに、死神。

 清らかで美しい声だからこそ、

 凍てつく寸前の水のような、冷酷さと美しさ感じる。

 芳雄トートしか知らないけど、こんな人が私の目の前に現れたら、

 ひょいひょいすぐに後を追っていっちゃうわ。

◎ラストのトートが唖然とする表情、

 トートの矛盾する愛が、よく出てたな、、、、。

◎今回の席は後ろ姿や真横姿ばかり見てたけど、

 横に下した手の中指が足のセンターにくる。姿勢がいいわ。体幹も。

◎イクサブ、万里生とのデュエットでは、

 声量調整せずに、思いっきりだしてて心地よかった。

◎育三郎は“歌う”だけでなく、演技力も格段にあがった。

 歌で物語を紡ぐというか、表現力があがってた。大人になってた。

◎育三郎、小さな小鳥ちゃんがカゴに入ったのシーンで、

 おもちゃの鳥を飛ばすのだけど、一瞬行方不明に。

 「どこに行った~~?」って慌てずに探す場面があったが、

 階段の下から無事救出。あわてないところも、舞台慣れしてるカンジあるよな。

◎どこのシーンか忘れたが、育三郎が客席から登場する場面で、

 FCクラブで配布された芳雄うちわをお客さんからかりて、仰いで客席爆笑。

 まだ、芳雄愛が残ってたんだ。すっかり城田優に奪われたかと思ったわ 笑。

◎万里生は深みがでたわ。2016年は年老いたフランツの声がまだ若かったけど、

 今年の万里生は、深い年老いた声が出てたわ。

 エリザベートへの罪悪感と、愛をちゃんと感じられた。そしてうんざりする疲れとね。

◎ゾフィーがフランツに去られる最後のシーン、あまりにも、、、。

 老いらくの哀愁漂い、美しい哀しみだ。

◎愛希エリザベートは、年老いてからの方が深みがでてたな。

 低音の声の方が説得力があった。まだ27歳。花總46歳。えらい年齢差になってきた。

 46歳が16歳を演じるのもすごいわな。

◎三浦涼介32歳、ルドルフ。童顔で、ハスキーボーイス。

 今っぽい男の子だけど、これまでみたルドルフとはぜんぜん違ったルドルフだったわ。

 弱々しく、子どもっぽく、自立できない情けない男の子で、

 母性をくすぐるルドルフだったわ。すごくよかった。

 

 

<気になったところ>

どうしても。

どうしても、2016年度版との違いを探しては、うむ?と思ってしまう。

曲は作曲家のリーヴァイさん自身が、今年用にアレンジしたそうです。

ほぼ全曲、ちょっとづつ変わってた。

 

・「最後のダンス」は今回、ちょっとアレンジはいってたけど、

 やっぱり高音域の歌い上げが欲しかった、、、。

 あれ聴くと、鳥肌が立つから、鳥肌たてたかった。

・「私を燃やす愛」も♪エリザベェーーート♪のところ、 

 育三郎とも音域上がらなかった。。。。。

 前回と同じ事しても仕方ないから、しょうがないけど。

 最近、高音域なかなか聞けないからな、、、。

・トートが客席から登場する「不幸のはじまり」音程が一つ下がってた。

 そんなに高音域じゃないのに、なんでだろう。

・三浦涼介ルドルフは、ちょっと声量がないのかな。

 芳雄くん声おさえぎみで下のパートをうたってたわ。

 

芳雄くんbyMyselfのコンサートでは、

ジーサス・クライスト・スーパースターの天国に心うばわれてでは、

超高音でうたってたのにな、、、。

 

欲張ってもしょうがないけど、

今年の方が物語の内容はよく理解できたような気がする。

歌詞が入ってきた。

 

で、終演してカーテンコールが終わった後、

芳雄の40歳の誕生日前夜祭。

 

 

 

<FCクラブイベント>

壇上にオドオドしながらトートダンサーの

五十嵐くんと岡崎くんがマイクをとって登場。

このFCクラブの司会進行を二人でがんばると。

 

舞台では踊るだけで、声を発さない二人だから、

この違和感がすごい!

で、幕があいたらトートがうちわを仰ぎながら登場!

 

トートの格好のままフランクに喋る井上芳雄にも違和感!!

でも、冷たい目をしてなくてもかっこいいわ。

まずはトートダンサー二人の緊張を解くために、あたためのトーク。

 

その後、阿部康則作詞の

「今日から40歳」、モーツァルトの「僕こそミュージック」の替え歌を唄う。

トートの格好で、モーツアルトの替え歌!

あの曲の旋律もすごく好きだから、歌詞がおかしくても涙出そうになる。

歌詞に浦井健治の名前がでてきて、爆笑。

これからも、ありのままの井上芳雄を愛しますよ。もちろんね。

 

で歌唱の終わりごろ、田代万里生が39歳の風船をもって客席から登場。

万里生、芳雄くんのこと大好きだから。

風船のプレゼントに、お誕生日おめでとう」のかぶせ物。

去年のbyMyselfコンサートじゃないんだから!と突っ込まれてw。

 

トートの衣装の左側、足にぶら下がてる模様を

「魚の骨がついてるからうまくかぶせられないんだよ」と笑。

育三郎が登場するかと思ったら、万里生だった。

万里生、自由だな。

 

そこからいつものように客席ぶらぶらしながら質問タイム。

あまり新しい話は聞けなかったけど、

今回は自分の「みせどころ」は特にないと。

これまでは、これを唄っておけばいいだろうというところがあったが、

今年はそれをやめて満遍なくやったから、集中力がずっと必要だったと。

 

なるほど、だから歌い上げなかったんだ。

ナイツテイルでも歌い上げない演出だったから、その影響もあるかな。

満遍なくやることで、物語をもっと強調したかったのか。

どうしても井上芳雄ワンマンショーになっちゃうから。

いい意味で。

 

質問に答えるたび、直筆サイン入りの特製の札束をばらまく。

さすがにX席まではこなかったわ。だいたいセンターに行くのよね。

 

それから2階席にも行って、引き続き質問タイム。

 

誰とのキスが一番よかったかって、質問。

誰と一人に絞れないけど、男性3人とも意外と唇が柔らかいと。

意外と汗をかいてる時のほうがいいカンジと。

赤裸々にちゃんと質問に回答していたわ。

こういうところが真摯で素敵。

 

芳雄が席を移動しているあいだ、トートダンサー二人とも

芳雄が文字通りとにかく優しい人で人格者だとほめていたが、

具体的なエピソードでてこず、もっとトークがんばらんとな。

 

1階席に戻る時、客席から舞台へ向かう通路が、

私の席から一番近く、気がついたら後ろ姿だったんだけど、

後ろ姿もめちゃかっこよかった。

外人のロック歌手のようでもあるし、

外人のイケてるお姉ちゃんにも見えた。

演技してないトートの格好、はじめて間近でみれたから感激!!

 

 

さらに、トートの格好で「灰と塵」を歌うという!!!!

ナターシャ&ピエールのあの「灰と塵」。

黄泉の帝王 「死」が、

このままではダメだ!ちゃんと生きようとする「ピエール」の歌をうたう。

この矛盾。

 

生きたエリザベートに愛されたいが、

愛を手にしたとたんにエリザベートを失ってしまう

その寂しさに似た矛盾がみれて、すごいよかった。

 

トートは基本無表情だけど、ピエールは苦悩の表情だから、

エリザベートへの愛の苦しみを、

正直に人間風に表現してみたカンジがあった。

 

これは本当に、FCクラブ会員のみの大特典。

ここで、涙が出てくる。

思い出しただけで、涙が出てくる。

なにかに共感しているわけでもなく、圧倒的に美しいものを前にした時の感動の涙に近い。

葛飾北斎の「甲州石班沢」と、

ドイツの宝石彫刻家ベルント・ムーンシュタイナーの「ドン・ペドロ

を生で観た時の涙と同じ部類。

 

「灰と塵」は讃美歌みたいな旋律があるから、黄泉の帝王だけど

あの世つながりで、マッチングする。

 

感無量だったわ。

 

会場は18時で、終演したのは22時ちょっと前。

よく考えたら、普通に働いてたら18時公演って間に合わないね。

よほど近所で働いてる人じゃなきゃ、

休むか、半休しないと18時に会場入るの難しい。

最後までいられず、途中ヌケてしまう人もいた。

終電、終バスやらいろいろあるんだろうけど、

「灰と塵」が聴けないのは残念すぎる。

 

やりたい作品がまだまだたくさんあると言う。

私も、この人の作品はまだまだ見たい。

再演もみたいし、新しい役にも挑戦して欲しい。

男は40代から深みがぐんと増すから、これからも楽しみ。

 

ちくしょう、いい男だな。井上芳雄は。

 

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<ラジオでエリザベートに関する質問についての回答>

 

Q.あの独特の指の動きはどうしてる?

A. 振付もあるけどほとんど、自分で動きを考えている。

  でも、ことしはむやみやたらに動かないようにしたと。

  動くとそこに意味がでてくるから。

  コンテンポラリーダンスの要素を取り入れているらしい。

  普段使わない動きだから、たまに筋を痛めるから

  肩甲骨を動かすストレッチをしていると。

 

質問の内容わすれたけど、トートの動きは

鳳蘭の芸風を自分の物にしていると。謙虚さなし!と笑っていた。

 

成河が、練習中に各キャラクターの解釈について話をふってくるので、

いろんな人がそこに加わったこともあり、より理解が深まったと語っていた。

 

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<勝手に興行収入を考える> 私の勝手な妄想計算です。鵜呑みにしないで。

今回は舞台装置も、衣装も、照明もほぼ同じで、

東京オンリー公演だから経費結構おさえられたんじゃないかな。

 

1897名×108公演=約20.5万人×平均12,000円=24.6億円

物販売上1公演300万×108公演=3.2億円

あとは協賛金やらあるから、収入は30億ぐらいか?。

客席は7割ぐらい入れば利益トントンときいたことがあるから、

最低が10%で成立するとして、

全席完売で利益率40%として12億ぐらいかな。

 

準備は1年前からはじめるが、

舞台製作・舞台稽古は約3ヶ月前から本格的にはじまる。

準備3ヶ月+本番3ヶ月で12億。1ヶ月2億か、、、。

 

こりゃ、やめられんわな。

利益をできるだけ、演者やスタッフに還元してあげてください。

そして、一人でも多くのすばらしい才能をもつ役者が

諦めずに芸を続けられるように、サポートしてあげてください。


手術跡のヘソがパンストのゴムで圧迫されて、

4時間椅子に座るのはさすがに痛かったが、

舞台に夢中になってる時は、ロキソニンより痛み止めになってたわ。

 

手術、大変だたけど、ご褒美ってカンジになりました。

今日も素敵な舞台、ありがとう!!