　2024.03.19付の山陰中央新報「こだま欄」に、雲南市・泉岳志さん(29歳)の「戦争の記憶継承の方策探る」と題する投稿が掲載されました。
　今から79年前の1945年3月、太平洋側にある日本の大都市は次々と空襲を受けました。

　3月10日は東京大空襲、12日は名古屋大空襲、13～14日は大阪大空襲、そして17日は神戸大空襲です。

　投稿者の泉さんの祖母様は、名古屋の空襲で焼夷弾による火傷を負われ、孫の泉岳志さんはその体験談を直接聞かれたということでした。
　泉さんは、戦争体験者の減少を目の当たりにして、体験談を直接聞くことは「まれな事」であることに気付き、「記憶の継承」と「記憶の参照」の困難さと具体的な手立てについて模索されていました。
　私たち「PIECE of PEACE 島根教師の会」の取組のひとつである「戦争体験者の記憶の再記録化」としての「平和学習読み物資料」作成とその授業活用は、泉さんの模索に対するひとつの提案になっていくのではと考えています。
　戦争体験者の記憶の記録化が進められる中で、記録内容を戦争を知らない世代へ「手渡していく」「繋げていく」ための「再記録化=読み物資料化」が大切であると考えています。
　特に、私たちの身近な人々と戦争との関わりについて、具体的に伝えていくアイテムが必要です。これまでに完成した読み物資料は次のとおりです。
【学童集団疎開と地元国民学校の子ども達の体験】
〇「大阪西区九条中国民学校・中平定春さんの疎開生活から」（松江市鹿島町）
〇「大坂天王寺区大江国民学校・丸井靖夫さんの学童疎開体験」(雲南市三刀屋町)
〇「大阪から大社へやって来た西六国民学校の子ども達の体験」(出雲市大社町)
【山陰空襲の記憶】
〇「私たちのふるさと島根に空襲があった日」(県東部12箇所での空襲体験証言)
【広島路面電車と島根の女学生たちの記録】
〇「広島の路面電車を走らせた島根の少女たち」

　会では、引き続き「平和学習読み物資料」の作成を進めていく予定にしています。

【平和学習読み物資料の一部より】

戦争の記憶を継承するひとつの方策として