
『最強のふたり』
評価/★★★★
監督/エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ
主演/フランソワ・クリュゼ、オマール・シー
こんばんは、小夜子です

今日は映画『最強のふたり』の登場人物に関する考察です。
(※映画の感想と予告映像は前回記事をご参照ください☆)
人物1.黒人ドリス
人の懐に飛び込んでいく天才とはこのことか!と、誰とでも屈託なく話をするドリスにただ感心させられました。きっと一人くらいは貴方の周りにもいると思うんですよね、先輩とか上司とか関係なくフランクな関係を築ける人って。小夜子は、人見知りで臆病な性格なので、そんな人にすごく憧れます。そうやっていつも面白いことを探して、周囲の人たちに教えて、一緒になって大笑いしている人って、実はしっかり境界線を心得ていて、本当にセンシティブなところまでは踏み込まないでいてくれるから、誰もが居心地の良さを感じると思うんです。だけど、いつも笑顔の人って意外と苦労人だったり、本当に大変な問題こそ、人知れず自分で解決したり、すごく独立心のある人って多いと思います。
複雑な環境で思春期を過ごしたために身につけた処世術なのかもしれません。きっと自分が生きているだけで、誰かの迷惑になるなんて思いたくもなかっただろうし、「自分といたら飛び切り楽しい時間を過ごせるぜ!」と自信を持って言えるようになるまで、少年時代のドリスはどれだけ苦悩したことでしょう。自分の生い立ちについて多くを語らないドリスに、潔い男らしさを感じました。
人物2.富豪フィリップ
財力を持ち合わせる人特有の心の余裕を感じさせる方でした。きっと身体の全身麻痺なんて、お金さえあれば不自由なく日常を送れる手段はいくらでもあると考えているのでしょう。蔵書、オペラ、クラシック、絵画など、身体が動かなくても存分に芸術を楽しむ姿は、運命を受け入れた者の心の強さが表れています。なってしまったものは仕方がない、自分に出来ることをするだけだ、と。もしかしたら一族の長として取り乱すことすら許されなかったのかもしれません。しかし、聡明な彼のことですから本当は気付いているはずです。自分がそこにいるだけで、周囲の言葉や行動が制限されてしまうことに。それは周囲の善意からくる配慮ではありますが、それ以上に優しさを受け取った側には負い目という名の烙印が積み重なっていきます。
私たちの日常でも、自分ひとりのスケジュールが合わないだけで、お食事会自体が中止になったり、煙草を吸わないために、その他大勢の喫煙者が煙草を我慢したり。それもちょっとした配慮ではありますが、された方が妙に居心地の悪さを感じてしまうものです。その気持ちがこの先、毎日何十年と続くと想像してみてください。なんて生きづらい世の中でしょう。相手が善意で行っているとすれば尚更、言い出しづらいものがあります。
しかし、物語が進むにつれて、全身麻痺という負い目を感じずに堂々と生きる気持ち良さを知ったフィリップはとても活き活きしていました。強烈な障害者ジョークをとばし、時には人を欺き、より人生を謳歌し始めるのです。一見、気難しいように感じるフィリップですが、相手の話をじっくり聞く辛抱強さと柔軟性を持ち合わせており、本当はかなりの人格者だと思います。
二人の会話には、最初から最後まで「遠慮」とか「お詫び」なんていう言葉は存在しませんでした。例えば、お互い不遇の人生を聞いても「変なことを思い出させてごめん」なんて決して言いません。そして有りがちな「不幸自慢」にも絶対に発展しません。デニスは一度だって、大金持ちの私生活を羨んだりなんてしませんし、フィリップだって発作を起こしたことを詫びたりしません。お互いの弱い部分を補える存在だからこそ、フラットな関係性を作りあげることが出来たのだと思います。
こうして生涯の友に出会えたのだから、自身の全身麻痺すら、フィリップには愛おしく感じて欲しいと思いました。こうなって良かったんだと、全ての出来事に意味と繋がりがあるのだと、この映画を観た全ての人に共感して欲しいと切に願います。
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次回は、映画『最強のふたり』の惜しい点をお伝えします(ノД`ll)
未鑑賞の方は、観賞後にお読みされた方が良いかと思います

今日も最後までお読み頂いてありがとうございました!
小夜子より