このインタビューメモは、私が、中小企業の経営を承継された経営者に

経営者交代の大変さを伺ったものです。


その壱


大正時代からの老舗メーカーの承継社長M氏にお会いしました。


老舗メーカーは数年前より、某ファンドがオーナーになっており、M氏はファンドより依頼を受けて、再建のミッションを受けて社長にご就任されたとのこと。


お会いして驚いたこと。それは、「笑顔」で迎えてくださったこと。


今までお会いしたファンドから出向している経営者の方はは、大変忙しそうで、ちょっと疲れて見える方が多く、やつれている方が多かったので、その対応は意外でした。


M氏は、身体中から、輝くばかりにエネルギーを放出していて、会社大好き、仕事大好きの雰囲気が溢れていました。


お話の中で印象的だったのは、M氏がご就任されてから実施された内容。




・中期経営計画を作成し、社員全員の前で、会社の将来像を共有した


もちろん中小企業なので、今まで中期経営計画なんて立てたことがない。立てたとしても、従業員に共有されていない。そのため従業員が勤めている企業がどこに向かっているかわかっていなかった



・各部署の長に人材の採用権を渡し、採用方法をお伝えした


人を採用するという大切さの責任を各部署に理解をさせる。またどんな人が欲しいか、各部署で真剣に考える。中小企業に多い、経営者が押し付けてくる人事ではない



・企画書の作り方社員にお伝えし、社内コンペを実施した


今までは、社長や経営幹部クラスのトップダウンが多く、一従業員が会社でやりたい仕事に対して発表する場所がなかった。そんな環境なので、会社に何が必要か、それに対して自分に何ができるか なんて考える習慣がなかった。



などであった。


ファンドの再生案件は、たいてい「リストラ」から入るのですが、今ここ

でM氏がしていることは、

「リストラ」とか「コスト削減」ではなく、「人育て」。






これなんでしょうね。社長のイキイキ感は…


もちろん、ご苦労は多かったと思われます。老舗企業に変化を起こすのは

拒む方も少なくはなかったと考えられます。


数字上の改革だけでなく、本来の意味で筋肉質」な会社にしていくためには、従業員一人一人の基礎体力が向上せなくてはいけないとのこと。


なるほど。


社長が笑っている会社は、従業員も笑顔。(`∀´)


最近での一番の学びでした。