久しぶりに管理系出身の経営者にお会いしました。


創業14年目。お伺いした企業の成り立ちは複雑で、もともと親会社の事業部が


独立して法人になった。


その際に、親会社のオーナーより株式を譲渡され、社員であった現オーナーが

この会社の社長になった(現在は会長)


ただ、社長は元営業マン。


助っ人に管理系(財務)の立て直しをするためにご入社されたのが、


今日インタビューした代表権をもつCFOのB氏である。


「財務だけとのお話だったのに、全部の立て直しでした」


と笑いながらお話を始められました。


B氏にお会いして、お話を伺いしていると、「論理派」ならではの話口調に、


さすが!CFO と感じておりましたところ、


意外にも、


「ご就任して一番力を入れたことは何か」との質問に


「人材教育!」の一言でありました。


そして、その内容とは、研修に行かせるとか、社内教育の制度を設けるということではなく、


従業員一人一人をよく見て、「レベルアップ」させていく、そのお手伝いをすること。


はて?と思っていたところに、B氏は、


レベルが低いとか高いとかは問題ではなく、従業員がレベルアップして


いく習慣がある企業を作ること


レベルアップが一人でできない瞬間には、手を貸す。それでレベルアップすることを


身に着けた社員は、次に後輩社員のレベルアップに力を貸していく。


そんな会社を作ることをめざし、今でも続けている」とのこと。


たとえ、レベルが高い人がいても、その人が成長を続けないと目まぐるしい


経済環境の変化についていけなくなる。


社員個人が成長しないと、組織・会社が成長しない。


それは、システマチックに制度や教育を施すことではなく、よく社員を見ていること


(研修等は、お金をかけたのに、あまり効果がなかったらしい。)


まずは、ご自身の管理下の財務部より始められ、拡大をしていったご様子。


そして、「今とのなっては、自分はすることがなく、暇になりました」


笑顔で締めくくられました。


レベルの高さ・低さではなく、レベルアップする習慣


人事の本質・企業の本質を拝見した感動的なインタビューでした。








7月25日(月)


プルデンシャル生命保険 さいたま支社で、ライフプランナー様向けに


「事業承継セミナー」を行いました。


今、国が挙げて取り組んでいる中小企業の事業承継についての全体概要を


事業承継=資産承継+経営承継


であるとお話ししました。


概要と資産承継について、


税理士法人武蔵経営の龍前先生(http://www.musashikeiei.com/pc/ )が


事業承継の人材活用について、私がお話をさせていただきました。


資産承継に関しては、生前贈与を行っていく、経営承継にも時間がかかるということで


できれば10年間をかけて行っていきたいというお話を。


また先代の経営者と後継者の年齢差を30歳と考えると、経営者が60歳のとき、


漸く後継者が30歳という年齢になることを踏まえ、中継ぎ経営者(セットアッパー)の導入


などが有効な経営承継であることをお話しさせていただきました。


手遅れにならないで済む「円滑で円満な事業承継」がみなさんを介して


進んでいけばと思います。

中小企業の事業承継について思うこと その1



上場企業と違い、経営と資本の所有が分離されていないので、


「株価を上げる」=「企業価値を上げる・売り上げをどんどん上げて


拡大していく」ことは、節税の観点から前向きな行為とは思われない



傾向が強い。


その辺を頑張ってコンサルしている方も多い。



しかし、それって企業としてあるべき姿なのかな?と最近思う。


そんな会社で働く人は、楽しいのか?


そんな会社は、この経済環境下で戦っていけるのだろうか?




最近、こんなお話を伺いました。


社長がお亡くなりなられたとき、


社長保有の株の半分が奥様に相続される。


奥様がその企業でご活躍されているケースは問題ないのですが、


全く関与されていない場合は


その相続分の議決権はどうするのでしょうか?


中小企業庁が、中小企業の事業承継の問題を重視しているが、


経営と資本の所有の問題が、簡単に、クリアにならない限り、


解決しないことが多いのではないかと思います。