“実家の近くに住みたい。”


結婚して半年も経たないくらいに私はそう思い始めて、

今では旦那も文句言わずに、展示場など一緒に行ってくれますが

つい最近までずっと、旦那は賛成してくれませんでした。


平日に実家へ帰ったと話せば、

また帰ったのか、と嫌な顔を見せました。


終いには、実家へ簡単に帰れないような

遠いところへ引っ越すと言うのです。


今の住んでいる家は旦那が探してくれました。

家探しの時、私は実家と同じ地区に住みたいと希望していました。

なぜなら、

治安もいいし、空気もいいし、車も維持できるし、

知れたところだから不自由がないと思ったからです。


だけど、


こんな田舎はいやだ、交通の便利なところがいい


という旦那の意思が固く、

私の意見など聞く耳は持ちませんでした。


実際に地域に密着するのは嫁なのに、

“そんな事は関係ない、俺の言う通りについてこい”

と言った感じです。



そして、今の家の場所だと、まだ日帰りでも帰れるし、

最初に折れたら、次の時は私の意見を聞いてくれるだろう、と

私は従う事にしたのです。


生活し始めて、度々実家へ帰る事に、時々文句を言ってきました。



去年の年末も、


「また帰ったんか。

そんなに簡単に帰るなら、今度はもっと遠いところへ引っ越すで。

簡単に帰られへんようなところにな!


いつまでも、親に甘えとったらあかん。


東京でも行こうか。

2人だけで生活せなあかんわ。

これで、ホンマの自立って言えるんや。」


そう旦那は言いました。


私の親にもお米もらったり野菜もらったり、

いろいろ恩恵に預かってるのに、

そんな親に感謝もせずに、なんて事言うんだと思いました。


アンタと2人で?

あ?


「本気で言ってるん?

本気で、私を実家に帰らせたくなくて引っ越すっていうなら

根性悪いで。


2人だけでやってくなんて無理やわ。

東京とかついていかへんで。

悪いけど、そうなったら・・・おさらばやね。」



私はこう言いました。


正直、旦那と2人っきりていうのは無理だと思いました。

なんでもかんでも私任せで、時折薄情なことするし、

私の意見にも否定的。

こんな感じで、誰にも頼れない地へ行ったとき、

私の心の寄りところがなくなってしまいます。

そんなことになったら、もっと心が病んでしまう、と思いました。


本当に旦那が東京へ行くと言ったとしても、

今でも私は本気で行きたくないです。


旦那のことが嫌いなのかと思われても仕方ないですが、

そういう訳じゃないです。


これは別問題。






では、なぜ旦那の考えが変わったのか・・・。


それは、私が病気になってからの事です。


旦那は出かける度、友達にこう言われます。


「こっち帰ってこいよ。

subarukoちゃんも病気やし、実家のほうが安心やん。

おまえ1人がそっちがええって言っとるけど、

subarukoちゃんが可哀相やろ。

おまえが帰ってきたら、俺らももっと遊べるやんか。」



友達がやたら、帰って来いと言ってくれるのです。

会う度に、もう何回言われたことでしょう。


私が帰りたいと言っても聞かなかったのに、

どういう訳か、ある日突然旦那の考えが変わったのです。



「あっち住む?」

って。



理由はわかりません。


私が病気なのに、自分の勝手で実家から離れた地で過ごすということに

薄情な人間と写ってることが嫌なのか。


友達のそばがいいのか。


私のために本当に実家のそばがいいと思ったのか。



ようやく私たちの意見が合ったのが、最近のことなのです。

だから、展示場行けたことも、すごく進歩した事だし

驚くべき事なんです。

まさか、旦那の意見が変わるとは思ってもみない事だったので。


もちろん、私にとっては嬉しい限りのことで、

内心飛び跳ねたいくらいの気持ちです。


こうして、私たちは気持ちがひとつになったのです・・・。




人の心は変わるのですね。