元勤務校では、毎週ゼミ授業がありました。

学生4〜6名が研究室に集まり、作品制作の進捗を報告し、アドバイスを交わします。


みんなが話しやすい雰囲気になるよう、ゼミの冒頭にはちょっとしたルーティンを設けていました。

「1週間のささやかな幸せを教えてください」

 

映画を観たときやイベントに参加したときなどは、話題に事欠きません。
けれど、日常生活の中での幸せとなると、意外とすぐには思いつかないものです。

 

「生協食堂の期間限定ランチがおいしかったです」

食べ物の話題は尽きることがなく、自然とそこに話が集中することも多々あります。

 

家庭教師の仕事でも、同じ質問をすることがあります。
中学生や高校生は多感な時期なので、いろいろな話をしてくれます。


修学旅行の行き先決め、部活動の練習試合、体育祭の準備などなど…

学校行事が盛りだくさんで話題に困ることはありません。

ひと通り話を聞いてから、指導を始めるようにしています。

 

ただ、「先生の幸せは何でしたか?」と聞かれると、少し困ってしまいます。
年齢を重ねるにつれて、感動が少なくなってきたようで、なかなか答えが見つかりません。