スコーンの要素のお話が終わったので、究極(=私好み)のスコーンレシピを。

今回のスコーンはふわっと軽い焼き上がり。表面はさっくり。しっとりほろっと口の中で解けていく、やわらかな空気を感じます。



理想のスコーン作りには、材料やその配合はもちろん、どう混ぜていくかも大切です。

何も塗らずに美味しい紅茶と頂くだけでも楽しめるコクのあるプレーンスコーンですが、お好みでクリームやジャムも一緒にどうぞ。




妹の食レポも載せておきます 笑





【さっくりふんわりしっとりほろりと軽い究極のプレーンスコーンのレシピ】



材料 直径6cmのスコーン型約8個分

薄力粉 143g

強力粉 82g

ベーキングパウダー 10g

塩 ひとつまみ(親指、人差し指、中指でつまむ)

無塩バター 80g

上白糖 30g

卵ひとつ+牛乳 =120ml

卵黄1つ+牛乳小さじ1 上に塗る用



〜下準備〜


・バターはコロコロと切って冷蔵庫に戻します。



・小麦粉とベーキングパウダー空気を含ませるように高いところからふるい、塩も加えて合わせ、ボウルごと冷蔵庫に戻します



高めのところからサラサラ〜と空気を入れるようにふるう。

・卵を軽量カップに割り入れ、120mlラインまで牛乳を加えたら、サラリとするまでよく溶いて、冷蔵庫に戻します。



〜作っていく〜

1、粉にバターを合わせる


粉のボウルにバターを落とします。最初はナイフでバターを刻むように粉に合わせていきます。



塊が小さくなってきたら指先でバターの塊を潰しながら、粉をまぶして擦り込むように合わせていきます。


バターが完全に粉に行き渡ると、粉全体の目が細かくサラサラしっとり、黄色っぽくなります。手でぎゅっと握ると、塊になります。


そこまでしっかりすりつぶすのではなく、あえてムラを残して仕上げるのが好きです。ムラがあると、焼き上がりにもムラができ、それが食べていて楽しいのです。


かといって、あんまりバターの塊が大きいのでは困ります。塊を手に取って確認してみましょう。





塊を潰したときに、ぐにゃーと潰れたら、それは粉に混ざっていないバターです。こういうバターが少し残るのは構いませんが(そういうムラがおいしい。)、あまりにも多いと潰し足りないということです。

もう少し粉をまぶして潰していきます。
さて、この塊はどうでしょう。


潰してみると、塊がほろほろとほぐれて崩れていきます。



この塊は、バターと粉が合わさっている塊です。
こういう状態の塊を増やしていきます。



とりあえず混ぜ終わりです。結構ムラがありますが、大丈夫。この後も混ぜていくのでだんだん細かくなっていきます。



2、上白糖を加えて混ぜる。


上白糖を加えたら、全体に行き渡るように手でサラサラと混ぜていきます。







3、卵牛乳液を加えて切り混ぜる


砂糖が混ざったら、卵牛乳液を加えて切り混ぜます。混ぜる時はスケッパーを使うのがお勧めです。ヘラでもいいですが、ヘラは切ることができる面が小さいのでうっかり練っちゃいます。


卵牛乳液はもう一度溶き直し(下に卵が溜まってるかもしれないので)、とりあえず半分くらい入れます。


まずは下からすくって上にかけるように粉と液体を合わせます。


なんとなーく合わさったら、切っていきます。混ぜるというよりは切る。


切っていくと生地はポロポロした状態になります。


残りの卵牛乳も入れてしまい、引き続き切ります。



4、形を整える


ネッチョリ生地をベーキングシートの上に移します。ぼろぼろしてますが大丈夫。



配合が変わってしまうので、粉を叩いた台は使いません。ベチャベチャで触れない場合は、手先にのみうっすら粉(キメが粗いので強力粉)をつけておきます。そんなに沢山つけなくても大丈夫です。



強力粉を軽くつけた手のひらで横や上をギュギュッと押しながら生地を厚さ3〜4センチくらいの長方形にします。







それを半分に切って、重ねて、また厚さ3〜4cmの長方形に整えます。それをもう一度半分に切って重ね、最後は厚み2cmの長方形にします






スコーンの厚みは、生地を焼く時に生地を押し上げる力になるので、厚い生地ほどよく膨らみます。…が、膨らみすぎると爆発します。厚さ3cmで焼いて爆発させたことがあるので、厚みは2cmまで。

5、生地を抜きます。


抜くときに使うスコーン型や包丁は切れ味が良いものを使い、最初に強力粉を叩いておきます。側面を綺麗に保つためのコツです。


これ使ってます↓




スコーンを抜いたら側面は触りません。側面が潰れると膨らみや割れ目にムラができます。上の面もガタガタしてるとそこが割れて膨らむので注意です。 



抜け殻の生地は再び重ね、長方形にし、半分に切り、重ね、厚さ2cmの長方形に戻します。


そしてまた抜いていきます。

6、生地を冷やす


抜いた生地を冷蔵庫へ移して最低1時間くらい冷やします。冷やし終わりの理想は、生地が固くなっていて、手にくっつかないし、持ち上げても形が崩れないスコーンです。




7、予熱と卵黄牛乳


1時間経ってからオーブンを230度に予熱し始めます。予熱には時間がかかるので、合計で1時間半くらい生地を冷やす時間ができます。予熱中に卵黄と牛乳小さじ1と合わせてよく混ぜておきます。




8、焼く


予熱が完了したらスコーンを天板に移し、卵黄牛乳を刷毛にとって、上面にたっぷり均一の薄さに塗ります。




オーブンの温度を220度に落として16分焼きます。


最初の12分は絶対にオーブンを開けません。膨らみにストップをかけてしまうかもしれません。


それ以降は扉を開けて様子をみても大丈夫。焼きが強めの仕上がりにしたいので、こんがり良い色がついていてももう少し焼きますが、焦げる前に止めます。



9、網の上に移して冷ます。


素手で触れるくらいに冷めたら食べ頃です。スコーンが最高に美味しいのは焼き立てから1時間までだと思っています。焼き立てのスコーンの香りが部屋中に広がっているうちに頂きましょう。






〜温め直す場合〜




焼いてから数時間経って冷め切ったスコーンはオーブンで温め直して食べた方がおいしいです。


でんぷん(小麦粉)は固化するし、バターは冷えて固まっているので、どうしても口当たりがぱさつき、粉っぽく感じてしまいます。


冷やご飯よりチンしたごはんが美味しいのと同じです。


温める際にはオーブントースターを中温にして内側が熱くなるまで焼きます。高温だと表面だけ焦げて中まで熱が入らないので注意です。



〜アレンジ〜

『全粒粉スコーン』
個人的にはプレーンスコーンより全粒粉スコーン派です。全粒粉は25g、薄力粉を118g、強力粉を82gくらいにして、一緒にふるって使います。


『チョコチャンクスコーン』
お好きな板チョコを80〜100g用意します。②で砂糖を混ぜ終わった後に、チョコをバキバキ手で割って加えます。チョコが生地に広がるように切り混ぜます。その後の工程は同じです。



『ドライフルーツスコーン』
お好きなドライフルーツは、フルーツがギリギリ浸るくらいの牛乳に漬けてふっくらさせます。こうしておくと、焼いた時にフルーツが焦げません。これを②で砂糖を合わせた後に加え、切り混ぜます。汁気が残っている場合はザルに開けて汁気を切ってから生地に加えます(この汁を卵牛乳の一部に置き換えても構いません)。

↑ドライマンゴーとココナッツファインを混ぜたスコーン。

『その他具材』
ナッツやチーズ等その他の具材も加える時は②で砂糖を混ぜた後に加え、全体に行き渡らせるように切り混ぜます。汁気が多い物はザルに開けて水気を切っておきます。

↑ホールコーンのスコーン。