さて今回は一般化線型モデル(GLM)と言われる、クラス料率を求める手法を解説していこうと思います。(他にもクラス料率を求める手法はあるのですが、今日はGLMに絞ります。)
そもそもクラス料率ってなんなの?って人はこちらの記事をどうぞ
https://ameblo.jp/studyactuary/entry-12627801788.html
今回はこの記事で使った表(下のやつ)に対してクラス料率を求め、これから作る保険に対するクレーム単価期待値の導出をしていこうと思います。
今回はこの記事で使った表(下のやつ)に対してクラス料率を求め、これから作る保険に対するクレーム単価期待値の導出をしていこうと思います。
まず、表の各クレーム単価項目の期待値を次のように書きます。
β2はレジャー目的の車であることによるクレーム単価への影響度合い
β3はゴールド免許である事よりもゴールド以外の免許である事でどれだけクレーム単価が大きくなるかの影響度合い
を表しています。
あと後々便利になるので次の様な書き方をしておきます。
また、関数g(x)はリンク関数と呼ばれる関数で、1番わかりやすいのはg(x)=xの時なのですが、他にもg(x)=logxなんかが使われたりします。
そして各クレーム単価は確率変数になるのでそれを次のようにおきます。
ここで、Yiの従う分布も予め決めておかねばならなく、それを指数分布族と言います。
ここで最尤法によって推定したβを使って期待値の表を推定します。
今書いた一連のプロセスで期待値の表を作成する事を一般化線型モデル(GLM)と言います。
注)GLMでは一般化線型モデルとリンク関数だけ指定しておけば、期待値の表を求める事ができます。
よく使われるGLMの代表例は次の4つです。
①指数分布族が正規分布(Yi〜N(μi,σ^2))でリンク関数がg(x)=x
②指数分布族がポワソン分布(Yi〜Po(μi))でリンク関数がg(x)=logx
③指数分布族がポワソン分布(Yi〜Po(μi))でリンク関数がg(x)=x
④指数分布族がガンマ分布(Yi〜Γ(α,α/μi))でリンク関数がg(x)=logx
それでは1つずつ導出と共にμの表がどうなるのか見ていきましょう。
①指数分布族が正規分布(Yi〜N(μi,σ^2))でリンク関数がg(x)=x
まず、実現値からβを最尤法により推定します。
尤度関数はこんな感じ。
なので対数尤度はこう。
これを各βについて微分して、それがゼロになるのでこんな式が出てきます。
今書いたこれがβの方程式です。
ここで計算を早く済ませるコツとして、β3は次のように表せます。
最初に例を出した表に対して具体的に計算していくとこうなります。
それでは次は②指数分布族がポワソン分布(Yi〜Po(μi))でリンク関数がg(x)=logxを解説していきます、と言いたいところですが、どうやら1つの記事に貼れる写真には上限があるようなので、複数の記事にまたがって続きを解説していこうと思います。
とりあえず今紹介した①のパターンが1番典型的なパターンなのでアクチュアリー試験の損保数理を受ける人は最低でもそこだけは抑えておいたほうがいいと思います。
導出の仕方さえ知っておけば残りのパターンも導出できます。
それにしても筆者にはこのGLMって手法、(実際回帰分析の一般化なので)とても汎用性が高そうな手法に見えますね、、
日常生活でこういう表を分析しようと思った時に使ってみようと思います笑
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