TPP法案提出に関する補足説明

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4月19日の「TPA法案が提出され両院で審議開始」投稿の補足説明


 TPA権限の否決(不支持決議)事例があったので紹介する。その意味を理解できると思う。

 2018年4月10日ブッシュ政権から提出されたコロンビアとのFTA実施法案(批准書)に関して、下院はペロシ議長の主導で不支持決議を可決した。しかし、2010年中間選挙で下院で多数派になった共和党(ベイナー議長)が、2011年10月に韓国、パナマ、コロンビアとのFTA実施法を可決した。続いて上院も可決し成立した。
 この不支持決議が実施法案そのものを永久に葬ることにはならなく、議会の構成が変われば復活することを、この事例が示していることを物語っている。

滝井先生のブログ
http://www.iti.or.jp/kikan73/73takii.pdf

 
 基本的に、実施法をなくすというものではなく、TPA法がないときの、議会による延々と続く審議を経ての成立が必要になるというだけの話であり、今回のTPA法案も、TPA権限による手順をなくす手続きがあるだけである。

 2002年TPA法では、下院、上院本会議の決議を規定しているが、2015年法案では、上院財政委員会あるいは下院歳入委員会でも、不支持決議を出せるようになったことである。


 現在のTPA反対派が反対しているのは、TPA法という規定そのものを否定しているのではなく、TPA法案の内容に反対しているのであり、自分達の利益が全うされないと主張している。
 レビン下院議員等は、デトロイトの利益を代表する方々だから、日本車を米市場で席巻させないための手段、即ち、自動車の関税撤廃の拒否、為替操作条項の規定を要求している。

 (フロマン代表が自動車の輸入関税を約束できない理由が、このデトロイト産業と議連の圧力があり、TPAによる関税引下げ権限を持っていないからだ。現時点でフロマン代表が引下げを約束したら違憲行為になる。マスコミの報道はこの権限問題を認識していないのか、いつも決まりそうに報道している。)

 ウォーレン上院議員等は、雇用を守り賃金を引き上げる保護規定や、ISDSによる主権侵害防止の規定を入れよと要求している。しかし、これらの要求は自由貿易信奉者が多い共和党議員に受け入れられない。利害が異なる議員達の間で、合意できる法案作りは、非常に困難なのだ。




議会審議日程の変更

4月20日議会が再開され、上院と下院の日程が公示された。
 上院財政委員会のTPA法案公聴会と関連法案審理が追加されたので、マークアップ(委員会採決)は24日以降になる見込み。

上院

4月21日10時15分(日本22日0時15分) 
貿易政策について
 全米商工会議所 ドナフュー会長
 AFL-CIO     ツルムカ会長
http://www.finance.senate.gov/hearings/hearing/?id=e5d14054-5056-a032-5222-bd9efc30cf18&hc_location=ufi


4月22日10時45分(日本時間23日0時45分)
貿易調整支援法(TAA)、アフリカ成長機会法など貿易関連法案の公開審理
http://www.finance.senate.gov/hearings/hearing/?id=6617b7e3-5056-a032-52ed-f2855b18b31f&hc_location=ufi

4月22日15時

下院

下院歳入委員会公聴会
(出席者は公表されていないが、フロマン代表が召喚されているはず)
http://waysandmeans.house.gov/calendar/eventsingle.aspx?EventID=398352


4月24日 下院歳入委員会マークアップの予定(未確認)


安倍総理の29日議会演説まで、本会議審議の日程がほぼ無いことが分かる。
上院カレンダー
http://thehill.com/sites/default/files/2015_senate_schedule.pdf
下院カレンダー
http://www.majorityleader.gov/wp-content/uploads/2014/11/114thCongressFirstSession.pdf