本棚の掃除をしていたら、源氏物語が目に留まりました。その間に挟んであった原稿を懐かしい思い出とともに本日のブログにしてみました。少し長いです。

 

 

平安時代の貴族文化の結晶ともいえる「源氏物語」。登場人物のカラーコーディネートを通して人物のキャラクターを考察すると、パーソナルカラーの四季の分類やカラー&イメージコーディネートにつながる部分が多々あり、時代を越えた色彩効果を実感することが出来ます。

 

また作者の紫式部の意図や思いが色彩を通して伝わってきます。その中から色調の異なる3人の女君(おんなぎみ)を例にとってみました。

 

 

 

<紫の上>

光源物語のヒロインとも言うべき「紫の上」の衣装はほとんど赤紫が中心です。紅花などの貴重な禁色の染料を惜しげもなく使い、格調高く華やかな彩りは紫の上の美しさを引き立てますが、いきいきした個性の主張は見られません。色相は類似色相類似トーン配色が多く穏やかです。

 

 

後ろ盾の絶えた高貴な姫君として登場する紫の上は幼少時に源氏に引き取られ、源氏が望む理想的な女性として育てられます。

 

 

紫の上の人物設定をカラーコーディネートから推察すれば、完璧な優雅さで、欠点の無い、自我を抑えた、しかしどこか哀しげな女性像が浮かび上がってくるようです。

 

作者である紫式部が紫の上をどのような位置づけで描いたのかは少なくともカラーコーディネートを通してみる限りあまりごひいき筋ではないように感じます。

 

 

 

<明石の君>

紫の上の対角線上に設定されている人物が「明石の君」です。光源氏が政敵から逃れ住んだ須磨明石の地で知り合い、子宝にも恵まれます。受領階級の出身で源氏が属する貴族社会では身分が低いとされていますが、財力が豊かな父親が後見し、深い教養を身に付けた怜悧で美しく身の程をわきまえた女君として光源氏の前に登場します。


 

明石の上のカラーコーディネートは白を基調としている場合が多く、紫と組み合わせる場合でも、紫の上の赤紫に対し明石の上は青みが勝った紫です。すっきりとしたコントラスト配色は個性的で印象的です。

 

作者である紫式部が真のヒロインとして描きたかったのはこの女君ではなかったのかと思わせるほど、明石の君のカラーコーディネートは意思と存在感が感じられます。その美しさを称える紫式部の力の入れようもかなりなものです。



 

<玉鬘(たまかずら)>

光源氏が中年に差し掛かった頃、春の陽光のように華やかな女君が現れます。玉蔓です。かつての恋人の「夕顔」の忘れ形見で、実は親友の娘なのですが、源氏はその事を知らせずに養育しています。


 

玉蔓がどんなに華やかで若々しいかはカラーコーディネートからも推測できます。玉蔓の基調色は山吹色という暖かく鮮やかな黄色で組み合わせる赤も黄みのある緋色や黄赤です。紫の上の赤がエレガントで女性的な赤紫であったのとは対照的にビビッドな若々しい赤です。

 

玉蔓は源氏の意に反して黒髭の大将という人物と電撃結婚の果てに子沢山のたくましい母親になります。玉蔓のカラーコーディネートは作者紫式部が最初からその将来を見据えているかのようです。

 

現代でも作家や脚本家が登場人物を設定する時、身につける色はキャラクターや役割を伝えるための有効な手段になっています。色で演出する効果です。

 

 

 

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