「片仮名」はなぜ「かたがな」と言わないのか | ボラとも先生のブログ

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ボラQ34:学習者から「平仮名」は「ひらがな」と言うのに、「片仮名」はどうして「かたがな」と言わないのかと聞かれました。最初は何を言っているのかわかりませんでしたが、どうも「仮名」の読み方がなぜ「がな」になったり「かな」になったりする理由を聞いてきたようです。何か理由があるのでしょうか。



ボラとも先生A34:「平仮名」は「平(ひら)」と「仮名(かな)」からできた言葉です。2つの言葉が結びついたときに後ろの言葉の最初の音が濁音になることを「連濁」(れんだく)と言いますが、連濁する場合としない場合があります。たとえば、「葉書」(はがき)は連濁しますが、「読み書き」(よみかき)は連濁しません。では、どういうときに連濁して、どういうときに連濁しないのでしょうか。以下は連濁の規則ですが、例外もかなりあることに注意してください。


1.複合語は後ろの単語が「清音(カ行・サ行・タ行・ハ行)で始まる場合は連濁する。
2.以下の場合は連濁しない。(○連濁する、☓連濁しない)
  ①後ろの言葉が漢語や外来語の場合
    (例)×こっかじけん(国家試験)、×なまバム(生ハム)
    (例外:和語化したもの)
    ○かぶしきがいしゃ(株式会社)、○いろはガルタ
  ②後ろの言葉に濁音がある場合【ライマンの法則】
    (例)×かみぐず(紙屑)
    (例外)○なわばしご(縄梯子)、○にんざぶろう(任三郎)
  ③前の言葉に濁音がある場合
    (例)×みずだま(水玉)、×ながた(永田)⇔○なかだ(中田)
    (例外)○あげだま(揚げ玉)、○うさぎじま(ウサギ島)

  ④前と後ろの言葉が反意語や並列の場合
    (例)×よみがき(読み書き)⇔○よこがき(横書き)
  ⑤擬声語・擬態語(オノマトペ)の場合
    (例)×こんごん、×くすぐす、×しくじく
    (注)名詞や動詞の「畳語」(繰り返し言葉)は連濁する
    (例)○ときどき、○ひとびと
  ⑥前の言葉が特定の接頭辞の場合
    (例)御(お・み)~、半~、毎~、一(ひと)~、半~、片~など
3.連濁したりしなかったりする場合

  ①前の言葉が名詞で、後ろの言葉が動詞のマス形(動詞の名詞化)のとき
    ・名詞が主語(が)・目的語(を)⇒連濁する(例)○金使い
     (注)ただし、「~する人」という意味⇒連濁しない(例)×猿使い
    ・名詞が主語・目的語以外⇒連濁しない(例)○筆使い 
  ②前の言葉の字数の違い(拗音は1字と数える)(例)~本(=書籍)
    ・3字以上⇒連濁する(例)○文庫本(ぼん)、○単行本(ぼん)
    ・1字か2字⇒連濁しない(例)○絵本(ほん)、×古本(ほん) 
  ③地域の違い(名字の場合)
    ・東日本⇒連濁する(例)○山崎(ざき)、○中島(じま)
    ・西日本⇒連濁しない(例)×山崎(さき)、×中島(しま)


さて、お尋ねの「片仮名」は上記の規則の2.⑥で見つけることができます。つまり、「片」(かた)という接頭辞が「仮名(かな)の前に付いているために連濁しない(「がな」にならない)ということになるわけです。この場合も、「片付ける」など例外があり、どうして連濁しないのかはわかっていません。

このほかにもアクセントに関する規則や結び付きの強さに関する規則がありますが、興味のある人はウィキペディアの「連濁」の項や以下の論文はネットで見ることができますので、参照してみてください。



1)「連濁について」(伊東美津)

2)「Rendaku Dampening」(Mark Irwin
3)「動詞連用形転成名詞を後部成素とする複合語の連濁」(鈴木豊)
4)「閉鎖と鼻音」(肥爪周二)


ただし、「連濁」に関しては、上記の規則を学習者に教えたとしても、規則や例外の数が多すぎてどれほど日本語学習に役に立つかは疑問です。 

また、普通の人であれば、どんな言語の母語話者であっても、母語について説明できないことは山ほどあるのですから、わからないことは別に恥ずかしいことでもなんでもありません。学習者もあなたが答えられなければそれ以上聞くことはなく、おそらくすぐに忘れて二度と思い出さない可能性が高いと思います。ただ、どうしても学習者の質問に答えてあげたいのであれば、まずは自分で考えたり調べたりしてみてください。それでもわからなければ、ボランティア仲間に相談してみることをお勧めします。



























































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