遠雷(6) | ストーリー短歌

遠雷(6)

遠雷(6)


け 芥子の花揺れる姿にわれ重ね 思いの届くその日を待ちて


ふ 振り向いて重ねた視線温かく つなぐその手を強く握られ


こ 格子戸に伸びる日陰が悲しくて さめざめ泣いた夏の夕暮れ


え 絵のように景色はっきり甦る 影踏み歩く夕暮れの道


て 鉄路まで無言で歩いた夕暮れは 消えることなく胸に刻まれ