遠雷(2) | ストーリー短歌

遠雷(2)

遠雷(2)


ち 誓わずもこの身のすべて捧げたき 燃える思いのほとばしり出て


り 理非よりも大切なものあることを 身に刻み知る炎(ほむら)の中で


ぬ 沼の縁立ちて水面の映し出す 白樺の木にじっと見蕩れて


る 流浪せし魂そっと受け止めた やさしい胸を忘ることなし


を 遠方(をちかた)に遥か離れていようとも 肌に刻みし誓いは消えず


わ 侘しさは胸に畳んで静やかに だだ耐えて待ついつか逢う日を


か 仮初めと言えど誓いを結びたる 熱き心を人には見せず