とにかく今回は天候的にサイアクな沖縄旅行だった。台風と待ち合わせをしたかのように、石垣島に着いた日の夕方から台風が上陸。やっと暴風圏を過ぎたと思ったら、終始どんより雲。結局、南国の太陽を見たのは初日の数時間だけだった。で、ほとんど外へも出ず、ホテルでテレビを見て過ごしたこととなったわけだが、琉球放送でこんなオムニバス形式ホラードラマの番宣をやっていた。

http://www.rbc-ryukyu.co.jp/extratv.php?TVPkowai

沖縄に住んでいる友人に聞くと、この琉球放送によるオリジナルのホラードラマは、今回3回目で、なかなかの人気らしい。とくに今回の3話目は、ついに出たかという感じの「死のブログにまつわるホラー」となっている。


<タイトル>
彼岸日誌 ~死のブログ~

<ストーリー>
誰かに恨まれている人間が、ネット上で「名前の後ろに続けて“死”」と打ち込んで検索すると表示画面が現れ、死へのカウントダウンが始まると言われる都市伝説のブログ。若者たちが面白半分で打ち込むと、仲間の一人の名前がヒットしてしまう。事件を追う刑事も巻き込まれ、ネットにうごめく奇怪な現象はどんどん増殖していく。


地方局でつくられたホラードラマとしては、名古屋の『ダムド・ファイル』 という仙頭武則氏によるホラードラマは知っていたが、沖縄でもこのようなオリジナルのホラードラマが作られていたとは全く知らなかった。

『ダムド・ファイル』はカンヌ映画祭でも上映されたが、ハリウッドのネタ切れがもたらした昨今の日本ホラーのリメイクブームを見るに、今後、地方発のホラードラマが世界へ向けた優良コンテンツとして発信できる可能性がある。どの地方でも、その地域ならではの都市伝説や怪談、恐怖スポットというのは必ずあるわけで、これは地方コンテンツとしては埋もれた宝の山だ。

一時期、「ローカル戦隊ヒーロー」や「ローカルアイドル」が地方コンテンツとして半笑いの脚光をあつめていたが、今後はこのような「地方発のホラードラマ」が地方発エンタテイメントコンテンツの一ジャンルとなるかもしれない。というのも「ホラー」は、いくらCGや美術にお金をかけようと、全然怖くないホラー映画というものが存在しちゃうほど、“怖さの質”がバジェットに左右されないという良さがある。もう8割方は作り手のセンスとテクニックだけで勝負ができる。

たとえば過去に『ブレアウィッチ・プロジェクト』なんていうインディーズホラー映画があった。内容はともかくとして、この映画はギネスブックに載るほど費用対効果の高いインディーズ映画となったわけだが、こういった一発当てると青天井となる可能性を持ったコンテンツが、「ホラー」というジャンルの特異性だったりする。

どうせ作るならホラーの方がお得だ。