お土産には 何がいいかな

 

手渡す相手のことを色々考えて これかな あれかな と

いつも 半分はわくわくだけど 際限なく 迷い続ける

だけど 先日 友人の U さんに頂いたお土産は 感動ものだった

 

……

 

二年余り前 尊敬していた素敵な友人 F さんが この世を去った

彼女の持つ明るい雰囲気 センスのよさ 感受性の鋭さ

そして 作り上げる作品の素晴らしさは 今も心に残っている

 

彼女は元気な頃 今回訪ねて来てくれた友人の U さんなど 器用な仲間たちと

年1回 「手しごと展」を開いていた

私は遠く離れているので 行けたのは一度だけだったけど

パッチワーク、粘土細工の置物、リメイクの装飾品、ビーズアクセサリーなど

作った人の心が表れた どれも素晴らしい作品ばかりだった

 

F さんがいなくなって 娘さんの T ちゃんがその仲間に加わった

Tちゃんが小さい頃は 殆ど話もしたことはなかったけれど

お母さまのご霊前にお参りに行ったとき 

数十年ぶりに 大人になった T ちゃんに会った

それ以後 時々 彼女からラインが届く

いつも 母親を失った喪失感に戸惑いながらも

クリスマスリースなどの 素晴らしい作品の写真を送ってくれる

 

お母さまの作品にどこか似ていて 

きっとお母さまの魂と一緒に作ったんだろうな と思えるものだ

近くにいたら 一つ欲しいな と思うけれども 

リースは繊細なので 郵送は無理だなといつも 諦めていた

 

……

 

訪ねて来てくれた U さんとホテルで寛いでいた時

今年の「手しごと展」のことや F さんの思い出 Tちゃんの話題になった

  T ちゃんからの写真見て いつも欲しいと思うんだけど

  送ってもらうのは 無理だろうなと 諦めてるのよ~

すると U さんが おもむろにキャリーケースを開けて

お土産よ、と大きめの四角い箱を 手渡してくれた

私はドキッとした もしかして…

 

そこには 素晴らしい色合いの素敵なリースがあった

私は しばらく何も言えなかった

ただただ そのリースをじっと見つめていた

 

ありがとう!!

 

こんなドンピシャなお土産 本当に素晴らしい!!

私の 余りの喜びように 一瞬驚いていた U さんも 嬉しそうだった

  実はね 手しごと展で思い立って T ちゃんと二人で選んで来たの

  そして 少し落ち着いた色の この色にしたのよ

 

きれいな水色の濃淡 ベージュと白 茶色の松の実 

それらの色が優しく溶け合って 輝いている

Tちゃんの思い 娘を見守る Fさんの思い 友人の U さんの優しさが

そのリースからあふれてくる

 

こんなことがあるのだろうか

誰にも話していないのに 私の思いが伝わった…

思いは現実化すると聞いてはいたけれど

実際に目の前に起こったことで そのことを確信できた

 

今回起こったことは 身の回りの些細なことだけど

(私にとっては とーっても大きなことですよ~)

これからどんどん 色んなことが起こってくるのかもしれない

と ふと思う

 

だったら よけいに気を引き締めて思わなければ…

 

こんな風に ぴったりのお土産を選べるのは 何と素晴らしいことだろう

私も それができる人でありたい

 

今 目の前の白い壁に その可愛いリースが掛かっている

 

その優しい色合いが みんなの温かい心を 伝えてくれる

心から感謝

 

私には 作品を作れるような器用さはないけれど

何か 人の心を優しくできるもの 温かくするもの

そのようなものを 生み出していけたらいいな